2007年04月29日
BABEL(映画評・感想)
昨日はBABELを鑑賞。ブラッド・ピット、ケイトブランジェットなど豪華俳優が出るので エンターテイメントを期待するときっとおもしろくない。だから子連れで見に行くような映画ではない。
夫婦のとある行き違いを取り戻すため、モロッコを旅していると、小さな兄弟の諍いからあのバスをうってみよう。ケイト・ブランジェットに命中・・・・。
聾の菊地凛子は最大の理解者であった母が自殺。自暴自棄でドラッグをやったり、ナンパされても化け物扱い。相手の意思を受け取れず、自分の意思を伝えられず・・・。オヤジである役所広司ともなんとなく距離が埋めれらず。
「神は、人を、分けた」つまり言葉の壁や意思疎通の行き違いがこの映画のテーマとなっている。
そういうことは日常よく起きているがそれ自体をテーマとした映画は少なく、一見の価値はある。
友人であっても価値観をまったく一致させることはできない。まあ、ある程度の理解者がいる人は孤独感を覚えず生きていけるわけだが、家族であっても同一ではない。
「大好きです!」と言われても言われた相手のことを好ましく思ってなければ「迷惑です」となるわけだ。その心は届かない。
だからこそ「心が届いた」ときに喜びを感じるのだろうとか・・・。
深遠なテーマで全般的に暗いわけだが、ん〜と最後は感動を呼び込める。
先日「やっぱりおばちゃんの話は腰をおらず、聞いておけばいいんですよ、へえ〜とか なるほど!とか」と言っていた人がいて、これは結構真実だ。
意思の疎通は難しいことではあるけれど、相手の思いをよく聞いて真意ははかりたいと思う。聞いて欲しいという意思も生返事していても それこそが意思疎通であったりする。
否定もしたくなる。