2007年06月10日
プレステージ(映画評・感想)
本作の基本線は若いマジシャンのライバル同士の確執である。ライバルのネタ探し、次々に考えるマジックだけでも十分鑑賞にたえる。ちょっと悲しいミステリ、そして人間ドラマ、しまいにSFと要素はたっぷり。脚本が日本人であることを見逃せない。なぜ空いてたの?という素晴らしい作品であった。相変わらず評もせずすいません。ウルバリンっ。
ちびっ子の頃・・・「マリックのハンド・パワーは本当か?」という話題があって「そんなの マジックとトリックで芸名がマリックなんだろう?そんなのタネなんかあるべ?」と今思えばやな子供だったかもしれない。
大学の時に割り箸を三本用意し、それを触った女性を においであてる・・・というマジックで気をひいてみた。マジシャン気取りでくんくんにおいをかいであててみた。もちろんマジックだったわけだが・・タネを明かさなかったため・・・異常に鼻がいい人・・・として・・・ひかれた・・・ちょっぴりセンチメンタル。
まあ、プレステージはトリックの映画であり、どこまでがウソでどこまでが本当かわからない。そして前フリが本当に前フリであったのか?その前フリ自体ももしかしたらウソだったかも知れないと思わせる。随所に仕掛けがあり、鑑賞後も何がどうだったかわかりにくい。が十分楽しめた。謎は謎のままでよいと思わせる。マジックのタネを超スローでやる番組は おもしろいが そこを明かす必要はないのでは?と思ったりする。
マジックやトリックもただの現象に説明をつけないに過ぎない。
演出をつけるだけである。
一方ロジックはただの現象に説明をつけるに過ぎない。
ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキルなんかが5年ほど前から(コンサル界で)はやっていてなんでも説明をつけようとする。
しかし、所詮 後なずりである。未来を説明できるものではない。
謎は謎である方が人生は楽しいような気がする。
ちょっとミステリアスな方が魅力がないかい?
(変人扱いは困るが)理解しがたい・・・は賛辞と誤解するようにしている。所詮人間は誤解と理解を繰り返しているだけだからね。わかったつもりの人でもアナザーサイドはあるもんだ。「真夜中は別の顔」を思い出す。