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2007年07月29日

生物と無生物のあいだ(書評・感想)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)を読む。ぜんぜん生物学に詳しくないおいらでも十分楽しめた一冊。「生」ってなんでしょう?

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福岡伸一さんほど生物のことを熟知し、文章がうまい人は希有である。サイエンスと詩的な感性の幸福な結びつきが、生命の奇跡を照らし出す。茂木健一郎氏

この本はものすごく詩的だ。流れるような文章に食い入ってしまうのが本書。

生命はとは何か?それは「自己複製のシステム」である。>

ここいらが現在の生物学、及び科学の定説であるらしいが、著者はそこいらに疑問を投げかける。はたしてそれは生命か?

私がこの10年来気に入っている生命に関するフレーズがある。

「では命とは何だ?これもまた明確に答えられるものはいない。そこで、先程の物質的記憶、これが何かの拍子に連帯化し、活性化したとして、この状態を生きていると呼ぶと考えてはどうだろう。つまり命とは霊の集合ということになるね。だがこの生きているという状態は自然界で不自然な状態だから長続きしない。そこで活性化した記憶を保存するために自分の複製を作る技術が編み出された」

「なぜだ?」

命の正体が記憶そのものだからという答えはどうだね?」

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)P110より。


ゆえに生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)が投げかけるテーゼにもなんとなく合致する。自己複製するシステムは記憶を残す・・・仕組みの一つでしかないと。

もし自己複製するシステムそのものが生命であるとすると「自己複製し続けるプログラム」は無生物なのに生命ということになる。

まあ、難しいことはこのへんにして。。。死ぬことを考えたことがある諸氏もいるかも知れない。さらに生き方に迷う人もたくさんいるだろう。。。ただ「生」そのものを考える機会は少ないんじゃないかしら。。。

だれかが言ってた言葉「生きてるだけで丸儲け」

偉そうに言うのもなんだが・・・重い病気を患って命の危機に瀕した人だけが「健康」とか「生命」を意識し、「元気で生きていること」がどれだけありがたいことかわかるような気がする。


動的な平衡をもつ、やわらかな適応力と復元力の大きさにこそ感嘆すべきだ。


しばしば見る若者の悩みやその死を意識する世界観にこの本はきっと衝撃をあたえる。つらい環境や状況は生きていてこそ打破できる。生命にはそもそもそういう能力が備わっている。活性化することができる能力。それが「生命」かな。

   「生きてるだけで丸儲け」

しんどいときに思い出す。必ず復元する。。。もとの形ではなくってもね。。。しんどい記憶ですら振り返ることができる日を信じている。

でないとやってられないよ。。。いろんなことが・・・。

※ここでいう霊の集合とは 「理解しがたいもの」の集合という意味です。


関連図書

爆笑問題のニッポンの教養 生物が生物である理由 分子生物学 (爆笑問題のニッポンの教養 11)



blog49 at 00:01│Comments(1)TrackBack(2)clip!書評 科学 

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1. 似せてだます擬態の不思議な世界(書評)  [ blog50-1 ]   2007年11月08日 14:55
似せてだます擬態の不思議な世界 (DOJIN選書)を読む。 学術っぽい地味な表紙。いえいえ、虫から考察するだましの科学っ。「虫は苦手」なあなた。無視できない代物。
2. 生物と無生物のあいだ(書評)  [ blog50-1 ]   2007年11月08日 15:13
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)を読む。ぜんぜん生物学に詳しくないおいらでも十分楽しめた一冊。「生」ってなんでしょう?

この記事へのコメント

1. Posted by ITおやじ   2007年07月29日 20:32
面白いタイトルですね。
読んでみたいです。

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