2007年08月07日
スーパーコンピューターを20万円で創る(書評・感想)
スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)を読む。「風の中のすばる♪」と思わず、頭の中で唄が鳴った。フィクションなみのノンフィクション。「オトコはパンストを・・・とった」・・・プロジェクトX風。弾氏の書評の通り 「買え、今すぐ買え、この最高の物語を読み逃すべからず」はウソではない。
本書「スーパーコンピューターを20万円で創る」は、世界で最も有名な専用並列計算機GRAPEを創った四人の物語であると同時に、著者、伊藤智義の自叙伝でもある。(弾氏の書評より)
この伊藤智義氏は
ヤングジャンプに以前連載されて栄光なき天才たち (4) (集英社文庫―コミック版)の原作者であり、これをもう大学在学中から持ち込みで行い、トライアルアンドエラーを繰り返し、印税が入ってきてかつこのプロジェクトに参加していたらしい。一発ではないのですよ、みなさん。
栄光なき天才たちは「天才なれど、タッチの差で日の目を見ることがなかった人々にフォーカスした」秀逸作品いつだったか忘れたが鳥肌をたてて読んだ覚えがある。
本作を書き下ろすに至ったのもプロジェクトXでの番組化がきっかけだったらしい。世界でも類を見ない天文学計算用のコンピュータGRAPEの開発話。
もしプロジェクトXが続いていたら
「なんていうかな、まあ、割合、簡単なテーマのように見えたんです、当時は。法則が完全にわかっていて、計算機の中で割合きっちりしたモデルが作れる。それでちょっと面白いかなと。そのくらいの理由でした」P62・・・・・と牧野は言っ、た。(X風)
となって番組で紹介されていたに違いない。でも言い方がちょっとNHKっぽくないが。。。
研究テーマが「簡単に見えた」という発言は不遜にきこえるかも知らないが、研究を遂行していく上では重要な要素の一つである。実際にそのテーマが簡単であるかが問題ではなく、その人が「簡単に見えた」ということが重要なのである。人は難問だと意識すると、余計なところで労力を使ったり、しなくてもよいところで躊躇したりする。簡単な(あるいは簡単に思える)問題には余計な力は入らないし、躊躇もしない。
仕事をおもしろくするにもこの姿勢は必要かなとも思う。居丈高に構えるでもなく、なめてもかからない。かといって躊躇しない。
伊藤氏は千葉Uでしたか・・・リファラが御大学から定期的にございます。この機に謝。
でっ天文学も物理学もパソコンもほとんどわからないおいらが読んでも鳥肌が立つくらいなので、理系の学生の人くらいが読むと、天文学って、コンピューターっておもしろそうじゃん。。。と思えることはまつがいない。
何より、大学院、研究室・・・とかちょっと閉塞空間を疑似体験できるのが楽しいし、結果的に栄光ある天才たちに囲まれて仕事ができた伊藤氏がうらやしく思える。決して自画自賛本ではない。
学部時代はおいらは研究室で喫煙して怒られた。DR.BEN SORRY。院時代はT教授が(禁煙していたのに)おいらがくるのを待ち構えていて 「一本♪」 と言ってたまの喫煙を楽しんでいた。
さておき、筆者が栄光なき天才たちの原作を書くほど能力があったにも関わらず、なぜほとぼりがさめた今頃書籍化されたかということも本書の肝。
「出来れば高校二年あたりまでに読んでおきたい」という弾氏の言葉は間違いない。間違ってこのブログを読んだ高校生以下の方は
この本で あしたのジョー を見て 思わずシャドーしてしまうおいらのように、あるいは キャプテンを読んで野球をはじめた少年のように
何かをはじめてしまうかも知れない。(その頃、おいらは落合信彦氏などを読んでいた ドライ、ドライ)
まあ、チームワークということを考えるとき、それぞれの能力をすり合わせる火花みたいなところもこれまた本書の肝。
肝が多く、お買い得。なぜ今書かれたのか?を考えながら読むとさらによし。これであなたも天文通になれるかも。
そしてなんとなく何事もできそうな気がするから不思議だ。・・・作るではなく創る・・・![]()
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