2007年09月10日
騙される脳(書評・感想)
- 第1章 一大ブームが起きる理由
- 第2章 あの店に行列ができる理由
- 第3章 ベストセラーとクチコミの関係
- 第4章 脳はブランドに騙される
- 第5章 ゴッホもブランドだった!
- 第6章 病気マーケティング
- 第7章 健康法ブームにもウラがある
まあ、くだんのビリーズ・ブート・キャンプである。今でも続けてビリー隊長についていっている人が褒めてあげたい。それくらいみなブームに弱い。特に女性。
脳はみんながやっているものはきっといいものだという判断をしかついいものを手に入れたからこそいいものだと判断する。
冷静に見ればあんな激しいものが続けるのはムリに決まっている。りんごダイエットも黒酢ダイエットも・・・まあたまにはやるかも知れないが続かない。ちなみにおいらは黒酢を飲むとおなかを壊す。
ではなぜ流行るのか?それは脳が(喜び物質)ドーパミンを出そうとするから。そして何より新しいものは素晴らしいと思うのだ。
ハンカチ王子も紹介されていた。最近にない誠実そうだと小理屈をこねるおばさまもいるかも知れない。しかし本当にとびついた理由は「目新しかった」から。さらに言えば韓流あたりのおばさまが飛びついたから。飛びつく人がいるよより飛びつく。
あなたは並んでいるラーメン屋は「うまそうだ」と期待しないだろうか?本来並んでいるからといって自分の好みに合うとは限らない。それでも脳は渇望する「あのラーメン屋に並んで食うときっとうまい」
ただ、本書でも口コミがなぜ作られるのか?はわかっていない。ミクシィなどSNSを通じて口コミを創ろうとする試みもなされているが・・・なかなかうまく言ってないのも実情。
世の中何が流行るのか?わからない。あのゴッホすらブームだと言うわけだ。
これらは主に女性によって作られる。もうルイヴィトンをもっていなければ・・・でもこれは新モデル♪と微妙な新しさを求めたり。
しかし、おっさんにはこれは通じない。おっさんの中のムーブメントは並んでいることで充足できない。並ぶとすれば「並ぶこと自体がお祭り」にならないといけない。ここいらあたり2ちゃんねる炎上などを見ると男文化を感じざる得ない。女性が火種をおいても油を注いで風を送るのはどうやら男性が多いらしい。
男性はややこのブームにのるのはかっこ悪い的センスから逃げ切れないが・・・女性はみんながいいというものはいいというある種の確信がある。
私の場合「その色一番売れてますよ」と言われると「じゃかぶるじゃねえかっ」とか思うがそれも女性が選択する上では重要な要素になっているからこそあんなことを店員は口走るのだろう。
ハニカミ王子だってもっとイケメンはジャニーズにいるはずだが、やはり ゴルフ(これまでは丸山茂樹)という分野の新しい彗星だけに注目が集まる。はやく見出せばそれだけうれしく、それが流行り出せばなおうれしいというスパイラル。
「流行る前から目をつけていたっ」
まあ脳はたぶんにまわりに騙されている。あれだけ新鮮で並んでいたビアード・パパのシュークリームも(類似品が出ているにせよ)並ぶことがなくなった。個人的には好きだが・・・今となっては買いに行くまでは至らない。
流行というのは恐ろしいもの。努力をして得た結果がうれしいように・・・並んで食うものはうまいことを連想させる。これが人間の仕組みであるらしい。
ここいらはモテがよりモテるのと同じ仕組みか。
ともあれ、騙されているかどうかはさておき流行りにのることは楽しいことだったりして、共通認識を持つことは楽しかったり。
まして新しいものでの共通認識は快感が走るわけです。
ミヒマルGTはいいわけです。レイザーラモンHGではダメなわけです。それはジャンルは違うけれどたぶんに目新しさが影響しているわけです。
まあ人間は男女ともうつろいやすく・・・それだけ飽きさせない何か・・・に思いをはせたりして。
あなたは何に騙されてますか?でもそれも人生を楽しむための方法だったりするわけで。
確認する意味での一冊。どうぞお手にとってみて・・・騙されているかも知れないけどねっ。