aamall

2007年10月02日

派遣のリアル(書評・感想)

本書を読むと、日本における派遣社員の現状というのは、他国以上に厳しい。まず、同一業務同一賃金の原則が確立されていないどころか、労使ともそういう原則が存在していることすら忘れているように思える。→404


派遣社員の現状は厳しいし、本書でも書かれているように団塊の世代の大量退職によって(ハケンへ流れていくことが予想され)もらえる給与の額は減っていく可能性は否めない。

やっと問題にはなってきているが、政治の世界にもギュッと踏み込んでいるので今後も大きな変化は見込めないかも知れない。

本来即戦力としての能力を買われて・・・が好ましいが現実にはスキル・アップにつながるような仕事をさせてもらえないのが。やっていたとしてもそれは(その働いている場での)評価につながらない。また収入が低いと同居とかで対応しなければ生活の建て直しは難しい。もっともネットカフェ難民がそう思っているかは疑問だが。


同一業務同一賃金の原則が確立されていないどころか・・・


日本の企業では業務の範囲が極めて曖昧。へたをすれば部署の区分けすら曖昧な場合が多い。

特にホワイトカラーの場合には人が変われば仕事が変わるがある。

ここいらへんの区分けも派遣労働へ影響を与えているに違いない。

おいらの職場にも派遣の人がいたが・・・派遣を渡り歩いているだけあって自分を守るのに必死だった。シュレッダーを3枚ほどしてもらうのも拒否。それくらい自分の業務の範囲を明確にしないとグダグダになるのを知っていたのだろう。

ただ鬼の形相だったので・・・それ以前に自ら人間関係を築く気もなかったようにも思うがまあそれも仕方がなかった。派遣すべてがそうではないと思うが。

派遣のスパイラルに入るとどうもその後正社員となることが難しいようだ。紹介予定派遣含め派遣の人を正社員・契約社員とするためには企業も一定の費用がかかったりする。まあ平均で3割ピンハネされる・・・派遣は派遣を選ぶに足る理由が無いかぎり・・・新卒者は正社員になれるならそちらの方が好ましい。好ましくない形でその後履歴書に書くことになる。

おいらの職場は派遣をうまく受け入れることができなかった企業だ。今のところ仕事が人につくのであって、職に人をつけているわけではないから。

この本はハケンワーカーの視点のみならず、人材派遣会社に勤務するものの視点も含まれている点で秀逸。

法改正や企業側の受け入れ態勢の改善が望まれる。雇用の流動性を確保する意味合いで積極導入されてきたが企業側にもハケン労働者にも問題が発生している。

そういうところに焦点をあてない政治にちょっと憤慨。

ニュースを見れば年収200万円以下の人口が猛烈に増えている。ぼんやりテレビを見ていると・・・劇的ビフォアアフターの依頼者の長男も無職。

これだけ警鐘を鳴らしているのに、中小企業に対する補助金だの、農業に対するバラマキだの・・・と言っている。

今後派遣は雇用の流動性を確保するために一定量必要であろうとは思うがこれ以上増えればそうでないものへの影響もでる。

ゆえにせめて正社員になりやすい制度を作るべきだと生意気に思う。少なくても履歴書に書かれた綺麗な経歴だけで仕事ができるのではないのだから。

スパイラルに陥る前に読むべし。

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