aamall

2008年02月04日

「勝ち組企業」の就業規則(書評・感想)

「勝ち組企業」の就業規則―人が動く!組織が変わる! (PHPビジネス新書 48)を読む。自分の会社の就業規則は読みましょう。もしくは本書を読みましょう。下川先生っ。目次はブログに載せないとダメ、ダメ。

しかし、マクドナルド店長は管理職か?の旬の一冊。



  • はじめに
  • 第1章 オリジナルの就業規則がある会社、ない会社でこんなに違う
  • 第2章 トラブルを起こさない入社・退社・転勤ルールの考え方
  • 第3章 社風をよくして、従業員モラルを高めるルール
  • 第4章 あなたの会社にあった所定の労働時間・休日・休憩時間の決め方
  • 第5章 優秀な社員のルール
  • 第6章 安心しては働けるルール作りこそES(従業員満足)の基本
  • 第7章 労使の信頼を強固にする賃金規程の作り方
  • おわりに

労働法のキモが2時間でわかる本が根っこ部分を簡単に説明していたのに対し、本書では社会保険労務士である著者が中小企業経営者に対して、お互いの信頼を構築する上でも会社にあった就業規則を作ることを提案する。

→マクドナルド店長は管理職に当たらず

日本マクドナルドの埼玉県熊谷市の店長高野広志さん(46)が「権限のない店長を管理職扱いし、残業代を支払わないのは不当」〜中略〜東京地裁(斎藤巌裁判官)は28日、「管理職に当たらない」として、約750万円を支払うよう同社に命じた。

でっ「ほえっ」と思った人も多いはずだ。残業代のポイントになる管理職であるが、

法律上の管理監督者とは「管理若しくは管理の地位のあるもの」となっており、この解釈を厚生労働省では「一般的には部長、工場長等労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意」としている。〜中略〜厳密に見ていくと中小企業では部長クラス〜中略〜P111


マクドナルド店長の件は上の法律をきちんと示した珍しい判例だ。実は管理監督者は役員とその他数少ない人数ということになる。私は残業のつく管理職だが、次は残業がつかなくなる。しかし、経営者と一体にはほど遠い。

社員も経営者もなぜこういうことを考えなければならないといけないか?と言えば、会社にだけ自分ライフをまかせておける時代ではなくなったから。お互いに十分な合意を得ておかなければマクドナルドのようにトラブルは必至。

毎年じゃんじゃんと給与を上げていける右肩上がりの時代ならば細かい就業規則などどうでもよかったのだろう。それこそ将来の出世払いで済んだ。それができなくなった以上その都度のESというものに注力しなければどんな企業でも従業員をひきつけておくことが難しくなっている。

→グーグルは想像以上にグーグルだった

〜中略〜聞くところによるとハイブリッドカーを購入した社員には5000ドル(約60万円)が支給されるのだとか。今年初めの頃、『Fortune』誌には、社員の友人紹介で雇用が決まれば2000ドル(約24万円)、赤ちゃんが誕生したら500ドル(約6万円)という制度や社内お抱えの5人の医者の診療は無料といったサービスも紹介されていた。

その環境は私にははかることはできないけれど、先進的な企業ほど、就業規則や福利厚生には気を配っているように見える。コンピュータがどれだけ発展しようと、いやすればするほど、人のモチベーションや環境が重要になる。

本書の中で特に印象深かったのが

それが「ヤングチャレンジ休職制度」。従業員に何か目的があり、その目的に向かうために長期的に休みがほしい場合に、事前申請し、会社の許可を得ることで、3ヶ月を限度に休職することができる制度である。もちろん給与は出ないが〜中略〜健康保険がそのまま使えるのである。

ある程度の規模の会社であれば、これに類する制度というのはあるが、実際に使われる事例は皆無だ。私は教育訓練休暇を要求したが却下された経験がある。またそういうことを思っている若者も多いはずだ。

しかし、忸怩たる思いをもって(仮に短期留学とか??なことであっても)仕事をされるよりそういうものを認める懐の広さを企業が持てば、給与の多少の増減よりもモチベーションはあがるのではないだろうか?若者が3ヶ月や6ヶ月、あるいは1年休職して何らかのきっかけを掴んでくることは、リスクよりもはるかにリターンが多いと思う。辞めてしまったとしても企業のイメージをあげるのには確実に役立ってくれる(はず)

そうでなければ低成長の社会の中でより優秀な社員をひきつけておくことは難しくなっていく。ある程度の自由度というのが今後の就業規則や規程のポイントとなるだろう。

さておき、本書は人事担当者ならば必読である。人事は常に社員のモチベーションを高める手段を探しているはずだ。それも少ない財源の中で。

その中で就業規則は肝となるはずであり、まず本書の中から汲み取れるものを汲み取ってもらいたい。そして、社員も自分の会社の就業規則に興味を持って義務を履行し、自分の権利を確認して一生懸命働いて欲しい。その権利には眠っているものもたくさんある。

社員はTRYで権利を要求。ダメでもともとではないか?ただ訴訟をすると会社にはいられなくなるので、笑顔で権利を要求!そのためにはまずルールの把握から。人気blogランキングへにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

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1. 労働法のキモが2時間でわかる本(書評・感想)  [ blog50-1 ]   2008年02月04日 08:14
労働法のキモが2時間でわかる本を読む。看板に偽りなし。もっと短い時間でキモがわかる・・・はず。

この記事へのコメント

1. Posted by 丁稚   2008年02月04日 12:06
タダな〜グーグルは普通の会社じゃないからな〜単純肉体労働は皆無だし。アイビーリーグの博士号を持っていて、コネがある人間しか入社できないし。確かに一定の実績が上がらないと解雇されるが、解雇されても行き場はいくらでもある人間しかいないし。

あれを、こと人事面のエクセレントカンパニーと捉えるのは特異過ぎると思う。岡野鉄工所を例に取り「中小企業は元気だ!」と主張していた政府の景気好転説はガセネタであった事と同じ推測に過ぎないと思うよ。

出来ない事を望んでも虚しいだけ。
2. Posted by blog49   2008年02月04日 14:18
この場合はエクセレントカンパニーが福利厚生を充実させている・・・との見方が基本でしょう。今後ベンチャー系でそういうマネをしている企業がいかに従業員の創造性を伸ばせるか?に注視してます。
3. Posted by 丁稚   2008年02月04日 16:11
「エクセレントカンパニーが福利厚生を充実させている」って訳でもないと思う。単なる社風に過ぎない。例えばGMはかつてのエクセレントカンパニーで、福利厚生が充実(退職後も家族の医療費を負担してきたって言うんだから、グーグルなんて足許にも及ばない)していたが、それが足枷になり、引き取り手もいない様相だ。もちろんP&G、ボーイングなど一部の終身雇用のエクセレントカンパニーも存在すれば、リーマンブラザーズのように1年更新の契約社員しか存在しないエクセレントカンパニーもある。もちろんリーマンは鉛筆一つまで自腹だよ。その代わり年俸が高いのは言うまでもない。
4. Posted by 丁稚   2008年02月04日 16:12
グーグルについて言えば、現在MSからのヘッドハンティングが強烈で、社員の年俸切り上げを迫られている。これまでは社食タダ、勤務は自由、ノルマなし、でも給料安めっていう社風でうまくいってたが、MSが3倍出す、って言ったらひよる社員が続出で、グーグルも宗旨を変えざるをえなくなって来ている。それにグーグルも分野にこだわらないM&Aの例が増えてきて、かつてのノンアセットビジネスによる高収益体制が維持できるか甚だ疑問だ。つまり普通の会社になってきている。
5. Posted by 丁稚   2008年02月04日 16:12
普通の会社になると、投資家から一番費用対効果が疑問視され、攻撃を受けるのが福利厚生。そうなるといつまでも今の福利厚生を続けるのは非常に難しい。まず、アラブ人には理解できないだろう。人事の人間は賃金を下げながら社員のロイヤリティーを創生する事を求められるから、勢い福利厚生政策でお茶を濁そうとするが、それで根治出来る問題でない事は自省すればすぐ分かる事だ。

でも、その社風を守りエクセレントカンパニーであり続ける方法はある。非常に簡単な事だ。公開しなければ良い。世の中、非公開企業が諸悪の根源、のようなメディアバッシングを良く見かけるがシャッター通りの佃煮屋の親父が株式公開なんて考えてる訳がない。また、考えないから創業数百年の老舗として生きていける。「株式公開が企業の上がり」は正しいが、それが企業、社員のためかは別問題だ。
6. Posted by blog49   2008年02月04日 16:22
IPOについては
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2008/01/post_25e8.html#more
当分凍るんじゃないの?まあ私もググル様様でもなんでもないので、どうでもいいんだけどというかもう頂点なめちゃった感じ。

ただ検索エンジンにおける順位の大幅変更で私のブログが上がってきているのはたしか。まあ外資はいろんな面でカネを出すよ。ただ長くつづけられないという点でなんというか3交代の製造業に似てるなっとか思うけど。やっぱり身を削らなければカネにならんというか。
7. Posted by 49   2008年02月04日 16:28
では企業はカネを出さずに何を出すか?ってな話が本書評の主題。まあ終身雇用する限りなんらかの手段が必要っつかまたそれは書く。

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