aamall

2008年02月23日

社員にとっていい会社の離職率は低いが離職率が低いからいい会社ってわけではない

3年以内の離職率が(身近で)ぐぐっと下がって、内定辞退者も少なく当初の予定よりも若年層が増え、その後の採用計画にまで支障をきたしている現在。

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例年の内定辞退者数から内定ってのは出すわけで、規模や業種、採用実施時期などから多くの企業が新卒採用について定員よりも1割とか2割多く内定を出している。「お断り」を想定しているわけだが、企業から内定取り消しなどできないから、数が多くても文句は言えない。

ただ、この数字はおもてには上がってこないだろうから、実数はわからない。

その上離職率が猛烈に下がった。3年以内の離職率が上がることは企業にとってはメリットよりもデメリットが多く、企業のイメージにも遠からずダメージを与えるので喜ぶべきことだ。

数年前は離職率があまりにも高く、また人員不足懸念があったことから、離職率を下げる試みをアドバイスした。

具体的には(半年〜1年同一部署へたくさんの新入社員を配置して同世代を一緒にすること)で、社会人1年目のしんどい時期を越えさせようようとする試み。これが要因かどうかはわからないがとにかく離職率は下がっている。感想を聞いたが概ね良好なようである。

→就職ブレイキングニュース

ざーっと眺めると、安定している大企業がほとんどですね。電力関係の企業や、大型のメーカー企業も目立ちます。

およそ、好業績を挙げている老舗企業なんかは当面離職率は下がるものと思われる。新興はその点ではちょっと違うような気がするが。離職率が下がったのは「役所的ぬるま湯」になったのではないか?という懸念である。

ここ数年大幅な処遇の改善とか、業績・将来の希望とかが出てきたのならわかる。もしかしたら「ハケンの品格」を見て「やはりハケンよりはましか」と得心やあきらめがあるかも知れない。地方の場合転職は容易ではないことを十分に理解して打算の意味でかしこくなったのかもしれない。

しかし、これが単なる「ぬるま湯」であったなら早晩業績が下がる。電力系などの企業はやはり役所的体質で業績をおいかけるということを使命としているわけではない。

安定しているとイメージされる企業ではあるけれども、20年前とは違う。

常時中途を含めた採用を行なう企業は必要以上に「きつい」ことが予想される。それは処遇ではカバーできず、精神力とか体力とかの問題であり、折れて辞めていく。田舎では営業と製造が双璧。まあ都市部ではIT土方あたりかな。

個々の事情はわからかないが若い社員に対して腫れ物を触るように、「向き合うでもなく、叱るでもなく」ただ無為に時間が過ぎていると(お互いにとって)困るなと思う。

そんな危惧をするのは、全体に漂う雨が降り出しそうな曇り空、不愉快な湿度と気温、たしかにぬるいと感じる部分がここ数年あるからだ。

→離職率と経営の相関関係

高い離職率は経営に問題があることを示していますが、離職率が低すぎても組織の新陳代謝が不足しマンネリが起こります。

明らかに低い離職率である現在、これが各施策がうまくいっていうのだと信じたいけれども、いざ部下になって「マジ?」となる懸念も否めない。まあ業績じゃんじゃんなら気にしなくていいんだけれども。業績が悪くなると途端に新入社員の人件費すら問題になる。

ただ、様々な面で若い社員が「安易な転職は失敗する」とかしこくなっていることを祈るばかり。

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→離職率の高い会社ってどうなの?

→コンサルティング会社の離職率



blog49 at 00:01│Comments(0)TrackBack(1)clip!人事管理 

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1. 中途入社の憂鬱  [ blog50-1 ]   2008年12月11日 11:01
団塊の世代が大量退職することや好景気(という錯覚)、売り手市場との報道により、「人が足りない・・・」なんて思ったのか、ここ数年採用を増やしていた。内定取り消しどころか、例年発生する内定辞退が無く、予定数以上の新入社員を迎えている。生え抜きが多い業界で、転....

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