aamall

2008年03月15日

お客様には絶対謝るな!(書評・感想)

お客には絶対に謝るな! Never Say “Sumimasen” to Your Clients!(長野慶太著)を読む。お客様には誠意を持って絶対に謝るな!

 



  1. お客様には絶対謝らない
  2. NOを聞きすぎてはいけない
  3. 売る熱意などまったくいらない
  4. お客様とはメシも食わない 酒も飲まない
  5. 「注文をください」とは口が裂けても言わない
  6. 提案書はまだつくらない。
  7. 値段なんか下げない
  8. 営業マンには歓迎会も送別会も必要ない
  9. 上司ともっと闘え。反旗を翻せ。ただし1人でやれ
  10. 質問力をみがけ

特段驚くようなことは書かれていない。ただ、「お願いセールス」を基本とする人が多い(私の勤務先のような)業種には筆者が書くように梵書なのかも知れない。

滅多と営業マンに押し込まれることはないけれど、「お願い」口調には怒りを通り越して大方呆れる。なぜかと言えばお願いされる理由がないからだ。

営業に限らず、一定のフィフティ・フィフティな関係性がないとモノを購入したり、サービスを継続したりしない。1回きりなら情にほだされる(青森から来ましたりんご売りみたいな)場合もあるが、筆者の言うとおり「注文ください!」は言ってもムダだろう。決定はお客様が握っており、「〜さい」は決定の重要なファクターにはならない。「お願い」と言っていた感じの悪いセールスマンとお願いされなかった感じのいいセールスマン。あなたはどちらから購入したいだろう?

もし「お願い」が決定のファクターになるとすれば、継続的な関係が以前からあって、営業マンではなくて、世話になったことがある、とか本人に帰属しない(以前の)貸し借りの返却だったりするのではないか?やはりまずはGive。

これを見て部下や後輩が真似ると厄介だ。「お願い!」の言い方まで教える上司や先輩がいて、その手は伝承できるものではないし、種を蒔かない刈り取りで、最後は荒野というかお客様に迷惑かける場合が多い。だいたい異動で帳消しというか顕在化しないけど。

ベテランの営業マンが押し売りよろしく玄関に座り込んでいる姿を思うと寒い。5年も過ぎた部下がこの手のクレーム。「どこで覚えたんだ」と聞きたい。

さて件の「謝るな!」である。

トラブル時に無策な管理職はただひたすら謝る。火に油を注いでおいて自然鎮火しただけなのに「したり顔」。ただそそくさと逃げ込んでおいて「僕なら云々」という上司。誠意ある対応は「すいません!」でも「Please」でも、まして身をすくめることでもない。それまで経験を積めばよかったが、右肩上がりの経済の中で(よくそれを許してもらえたなな事例も多く)学ぶ機会を逸した人も多い。

誠意とは往々にして代替案であるが、教えられない人が多いのはこのせいだ。経済が上がり勾配では小さなことはすぐに収束する。

話は飛ぶが営業とは何か?「適切な選択肢とそれを考える材料を、適切なタイミングで、付加価値とともに提供する」ことだと思う。

まっそれ以上でも以下でもないので割り切りと見切りがポイントかもね。

この付加価値にはユーモアや情報、カンファタブルが含まれる。ゆえに、粘り勝ちみたいなものはないし、継続した取引ならばなおのことゴリ押しはするべきではない。ゴリ押しで社内営業のトップになっても(図太さは尊敬に値するけれども)他では通用しない。空気読まない力も徹底してズバ抜けていれば別だけど。

付加価値にはネイティブな部分と後天的に身につけれらる部分がある。この後天的な部分は先輩とかまわり次第だし、ある程度教育で可能だろうと思うが座学では難しいので同行が好ましい。

本書でやや逆の論調をクリップしておく。

真に優秀な人の営業術をあなたが吸収するとしたら、それは徹底して真似をしようと決意することである。〜中略〜盗むのである。真似るのである。〜中略〜あなたはそれが自分のものになるまで、上司のようにしゃべり、上司のように笑う。上司のようなしゃれを言い、上司のように歩く。P187〜

この手は現場では言われないし、「俺を真似ろ!」とか「俺についてこい」と言われてもなんだか。また、昨今の風潮というかハナから個性・オリジナルがよしみたいな意識があって実践されていないように思う。が幸運にもリスペクトできる機会に恵まれたら徹底的に真似た方がいいのは同意だ。そう巡ってくることでもないよが実感。オリジナルは模倣から生まれる。そういう上に自分がいるのかも知れないし、そうでないかもしれないし、ただずっこし真似た記憶はない。自分でも意識しないうちに良くも悪くも真似ているのはたしかだろう。

自分が真似される上司というわけではないが、悪い(表層の)部分が似ていたときぞっとした覚えはある。本人には意識はなかったと思うけれど。そういう部分で先輩はしっかりしないさい!いや自分か。

また、メンツをつぶさない限り上司に反論するのもよい。第一、阿呆な上司ってのはいつの時代もいるものだ。だからこそ、メンツを潰さないプロセスや言い回しが「根回し」というかサラリーマン力で阿呆に阿呆と言ってはいけない。言わなくても阿呆は認知されている。

経験則が役立つシーンと邪魔になるシーンというのが多くあるので押し付けず反論を受け止める上司になりたいものだ。

気をつけなければならないのは、社内の常識は社会の非常識。

営業(スタイル)にどっぷり親しむ前の「お願いセールス」に疑問を持つ若き営業マンに最適な一冊で、おおむね筆者の言うとおりすすむのが日本の営業の姿だろう。

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