aamall

2008年03月29日

売れるもマーケ 当たるもマーケ  マーケティング22の法則(書評・感想)

平素、マーケティング担当ですとか、マーケティングコンサルタントと聞いたりすると「???」どうもすっきりしない。

要因は投資ではないけれど、「市場(マーケット)は誰も読めない」ということを私が信じていることだし、もう一つは「マーケティングが結果分析に過ぎない」と感じていること、マーケティングという言葉の持つ意味が多岐にわたることだ。

本書でも

たいていのマーケティングプランにそれとなく含まれているのが、未来についての仮説である。けれども未来予測に基づいてたてられたマーケティングプランは、たいがい失格である。P174

しかし本書では答えが用意されている。

では私たちはいったい何ができるであろうか。予測不能という現実にどうしたらうまく対応できるだろうか。将来を予測することはできないが、トレンドをつかむことならできる。そしてそれこそが変化を利用する方法なのである。P177

正しい。正しいが、キャッチアップする感覚が年を重ねていくごとにずれていくことだけは認識するべきであろう。どんな優れたマーケターであってもいつか修正しがたい(制御できない)ギャップが現れてくる。本書のようにエッセンスだけを感じることはできても個別の事象に対する感性はずれてくる。


とはいえ、本書は様々な結果について、網羅的に説明できる点ですばらしい。題名も「あたるも八卦、あたらぬも八卦」にかけて邦訳あてた(と思う)ところが憎い。本来は「THE 22 IMMUTABLE LAW OF MARKETING(直訳:マーケティングにおける22の不変法則)」と愛想もくそもない、日本では区切りの悪い22という数字なので、題名こそマーケティングのだろう。

法則については→極東ブログ:[書評]当たるもマーケ 売れるもマーケ マーケティング22の法則 により深い考察があるので、そこを参照。

日本での初版発行が1994年。すでに14年が経過している。楽しみ方の一つはこの法則が不変だったか?登場する企業の栄枯盛衰は予測どおりになっていたか確認できること。法則と言えるだけのエビデンスは揃っている。

さらに、日本の企業や製品にこれをあててみるとなおわかりやすい。

「この荷物を西海岸までフェデックスしてください」P19

思いあたるのが「この荷物 宅急便で送っておいて!」宅急便はヤマト運輸の商品名であるが、商品名がサービスの総称になってしまう好例。「佐川急便で送って!」の場合には会社指定になってしまう。人は宅急便がカンガルーだろうと気にしないのにそう呼んでしまう強力さ。「一番手の法則」がやはり不変で、すべての既存商品、サービスが22の法則で説明可能だ。

そういうわけでか「名は体をあらわす」の商品が増えた。しかし、カテゴリーを作るようなものでなければ大半は駄洒落として消え去っていく。

22の法則は連続性を持っていて組み合わせではじめて役立つ。とは言っても組み合わせは相当数ある。finalvent氏のおっしゃる通りに以下に集約するとちょっと楽だ。
  1. 知覚(認知)の法則
  2. 心(マインド)の法則
  3. 世間の法則

だから、ヒット商品が作れるか?ってのはまた別の話だけれども、企業、商品、サービスを22の法則の組み合わせてカテゴライズできるくらい自分の中にフレームを持って日々すごすと特に学生なんかはいいのかな。CMなんかを見ても常になぞらえると楽しい。

身近なものになぞらえられるようになって肉になるというか、フレームを知ったかぶりで振り回すのはやめよう。

会社説明会時、「マーケティングを勉強しています!」という学生さんにどぎまぎの人事課が降りてきた。マーケティングという響きとか雰囲気はかっこいいが、マーケティングを勉強している・・はそこでストップ。実装されるまでは相当時間がかかる。だからドギマギする必要はなかったんじゃないかしら。

時代によって図解され、「さも云々」に見えるマーケティングを文章だけで解説する本書は名著だと思う。図解され、明快になるほど、実はそぎ落とされた部分に重要な見落としが出る。

「とるに足りないアイディア」とか「そぎ落とされそうな部分」こそヒット商品の肝で、そこに至るまでのマーケティングプロセスは快刀乱麻ってわけでなく、地味なカテゴライズなんだろう。

何冊か続けて「マーケティング」っぽい本を読んでいたけれど、本書は手許において都度開きたい。

「当たったらマーケ、当たらなきゃ負ーけ」というか、地味に消えていっているモノこそ興味深い対象になるのだろう。チョキの反対側はちゃんとそうなっている。

本書が啓示するのは集団の心理みたいなで、企業や消費者を集団、製品やサービスを個人としてなぞらえて、自分の置き所とリンクさせて読むのも一興だと思う。自分を変えることはできないけれども、客観的位置取りや今後の方向性を考える上でもっともよい資料となる。まあうまくいくかは 「はっけよい!」

 

クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング

[本blogでの言及]


 

(´・ω・`)ビジネスブログ100選人気ブログランキング



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 

はてなブックマーク
Livedoorクリップ
0 Buzzurl