2008年07月05日
偽善エコロジー(書評・感想)
偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (武田邦彦著))を読む。「エコ・エコ・エコ」って違和感を感じないか?なぜレジ袋ばかり狙われるのか?そしてCO2排出量ってどうやって量っているのか?
CO2排出量の少ない自動車を作るときに排出されるCO2はなぜ発表されないのか?本書を読めばわかる。やっぱりエコはエゴ。
エコな番組がたびたび放送される。三流芸人が自転車を漕いで電気を作っている。クリーンエネルギーらしい。ふと思う、「セットを作った分無駄なんじゃね?」「電気自動車なので二酸化炭素が0」って電気作るときの二酸化炭素はどこへ???
本書は身近なエコがいかにしょぼいものであるか指摘してきた著者がエコをぶった切る。
レジ袋を使わない→ただのエゴP14
石油精製の過程ででる捨てていたレジ袋に再利用(だから店はただで出している)しているだけなのに、エコバックを買わせようとする。レジ袋で出していたゴミは専用袋で税金を支払わせる。
「バイオエタノール」など穀物など由来のエネルギーなどはクリーンだと言うが石油をそのまま使った方がいいのか?バイエタノールを使ったほうがより環境にいいのか?それは決して示されない。
車を例にとると、燃費の悪い車を使い倒して乗りつぶすのが経済的、環境的にいいのか?新しい燃費のいい車を次々に乗り換えていくのがいいのか?
マクロ的な経済を考えれば「エコ」をたてに乗り換えていくのがいい。しかし、自動車を作るのには相応のエネルギーを使う。そこの比較は余分な支出をしてハイブリッド車を買うのかはフツウ考えるはずだ。
著者ははっきり言わないが利権のにおいがぷんぷんする。それと大手スーパーが強く、レジ袋を作る業者が弱いことが連想される。自動車メーカーもエコを前面に押し出すことで買い替えをすすめる。
地球規模で環境を考えるなら、一番は人口の多い国の経済発展をとめることだ。それらの国はエコなんて知らない。京都議定書で騒ぐのは日本だけかもが著者の主張だ。仕方なく買い換えるなら消費エネルギーは小さい方がいい。それはあくまで家計のためにしかならない。
つまり一所懸命になって牛乳パックをリサイクルしても紙の消費量が〜中略〜つまり300分の1しかならないのです。このような話をすると「チリも積もれば山となるというじゃないか、少ないらと言ってリサイクルしなければなにもできない」と反論されます。けれども、意味がないこと意味がないと認める勇気を持たないと、本当の意味で環境を守ることはできません。P149
牛乳パックを再利用するためにジャブジャブ水を使っていたらエコもヘチマもない。
ゴミの分別も分別が目的にはなっていないか?分別したゴミが本当に低エネルギーでリサイクルされているかみなさんは知っているだろうか?私は知らない。
ある番組では集めるだけ集めて製品にはなっていない素材について環境大臣が責められていた。ほとんどがエコしていますというだけでエコになっているかは知らないのだ。
そういう裏側を声高に著者は叫ぶ。
だいたい分別が自治体によって異なるのが不思議な話だ。リサイクルが社会的に行われていれば分別は統一されているはずだ。「70%はリサイクルしちょります」と言われてもリサイクルするためにエネルギーを余分に使っていては何にもならない。
かといって私も「エコなんてやめちまえ」というつもりはない。資源の乏しい国なので、できる限りエネルギー消費を抑え、循環型かつコストの安い技術は必要だろう。
っでどうすればいいのか?という話になるが、端折りつつ結論付けると
〜中略〜環境問題のウソをいい機会としてこれまで「環境のため」と思ってきた生活を、「人生のため」という生活に切り替えてみてください。P227
サミットでは地球温暖化を主題にするというけれども、それは自国の経済的な利益というものと相反してまでする気はどの国もない。つまり経済における一つのカードとして切られる札だと思う。
私としてはエコ活動など無駄なエネルギーを使わず、モノを長く使い続けることでエネルギーを抑え、ゴミも極力出さない。そんな風に生きていく。
リサイクルが経済的に合ってくるまではリサイクル自体がエネルギーを使ってしまう。
マスコミの報道がある一面しか示していないことを本書は教えてくれるし騙されないためにも読んでおいて損はない一冊だと思う。
環境にやさしい・・・それがオナニーになっていないことを祈る。
偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))
http://www.geocities.jp/obkdshiroshige/ondanka/ondanka.htm
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/37540a91ce3aa7fedb0ab8ef6f0d640f
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この記事へのコメント
http://homepage2.nifty.com/koshi-net/other/kaihou/73-2.htm
http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/
http://www.rakkousha.co.jp/books/ka_02.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E9%82%A6%E5%BD%A6
もう何から何までウソ
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416150624
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3015591.html
本なんか読んで勉強のつもりがオナニー
やっぱりオナニーは気持ちがいいですね。自家発電なので一生懸命やってもらえばいいと思います。
>お前がだまされてんだよさん
ありがとうございました。かなり武田節がはいっているので、騙されないようにしなければいけませんね。
本当にそれが環境を良くするのに一役買ってんのか
どうかみんな調べてるのかなと。
たとえば割り箸なんて、本当は廃材のリサイクル品
なのに、それを否定したりね。
というわけで、私はお店のポイントカードの割り増し
目的でくらいしか活動してないです。
そういう温暖化懐疑論についても十分フォーカスすべきだと思いますね。温暖化自体私にはわかりませんが。
環境破壊にならないようできる限り寝息は静かにしてください。
このたびはトラックバック、ありがとうございます。
ワタクシ、何を信じたらいいのやら?という結論に至ったのみでございます。
マスコミの話を全て信じてしまうのは、危険だと思いますが、私はこの本もそのまま信じてしまうのには疑問を感じています。「偽善エコロジーの疑問」と題して、連載していきますので、また是非お立ち寄り下さい。
>「レジ袋製造業者の悲哀」とか「コンビニ営業時間短縮で失業」とかそういう側面はぜんぜん報道されませんね。
この文を読んで、その辺のこともちょっと個人的に検証したくなりました。面白そうです。時代のうねりのシワ寄せかなとも思いますが。