2008年08月16日
営業のビジネススクール(書評・感想)
- 「質問する力」が営業力を強化する
- 「考える営業」の思考法
- わずか2人の営業で戦う
- 営業マネージャーの5つの役割
- 『ギネスブック』が認める世界ナンバー・ワン営業マンの極意
- 伝説の営業マネージャー:ジョン・ヘンリー・パターソン
- 営業マンのここが嫌い
- 成果管理か、行動管理か
- 顧客の最大の不満:営業マンは勉強不足である
- 営業の科学
- SFAは怖くない
- 一流の営業と三流の営業
- 「紳士の社交場」でのピンク接待は許されるのか
ここのところ営業の本を何冊か読んでいる。書いてあることにそう大差はなく、ほとんどが、問題解決型や価値提案を指向している。そういうさわりの部分をムックにまとめた本書は買ってみていいと思う。
中でも15年間で13001台の自動車を売った伝説の営業マンジョー・ジラードの話はよかった。
アフター・サービスで待たされるのは誰だってうんざりするでしょう。〜中略〜お客様が修理工場に車を運び込んでくる頃には、三、四人の修理工が工具箱を手に待ち構え、二五分以内に修理を終わらせるようにしていたものです。P36
〜中略〜しゃれたイタリア料理店と契約し、毎月第三水曜日にはアフターサービス部のスタッフから修理工、部品係にいたるまで、全員を夕食に招待していました。P37
フル・コミッションに近い業種に向いたやり方だ。徹底ぶりは違うが、いずれにしろ配慮は必要だろう。
本書でも触れられているが、営業スキル・スキーム、とりわけ、教育に興味がある私は再現性が問題になる。口八丁手八丁な人ははっきり言って勝手にやってもらえばいいのだ。それを曲げさせて押しつける必要はない。
しかし、ここに問題も孕む。口八丁手八丁が評価され、それがスキームとして採用される場合だ。仕事の完成度を高め、不必要な情報を見栄えするように作り、合格点を大幅にクリアするような書類作りを是とする場合。
これは再現性がないばかりか、管理者になった場合に(困難な)方法論を押し付ける懸念がある。80点の一人を90点にするより、50点の三人を60点にする方が組織としては好ましい。
営業スキームも業務プロセスと同様、最小限の努力で最大限の効果が得られるものが教育されるべきだ。いばらのフルマラソンよりも近道をみんなが求める。以下の内容に気をつけておきたい
- 必要以上のリサーチはしない。対面営業の場合、リサーチには自ずと限界があり、出たとこ勝負がある。訪問してわかることや知りたいことが出てくるのでさっとリサーチで出かけよう。
- 打率にこだわらない。打率がいいに越したことはない。打率はむしろターゲットリサーチによるものであり、打数には原則限界がない。つまり、打率よりも安打数が問題だ。こと営業に関して打率測定は困難だ。
- 書類はシンプルに。余分な情報で華美飾り立てる。すると次回もそれを求められる。10センチを残してバーを越えるのも1センチで越えるのも結果は同じ。再現可能なのはシンプルなもの。
- バックオフィスがやりやすいよう仕事を振る。「誰が前線でカネを稼いでいるのかわかってんのかたわけ。早くしろスカンチン」では相手の気分が悪い。イタ飯を出せなくてもときにはパピコを差し出すべし。
Harvard Business Reviewの別冊だけあって、「必ず落ちるお願いセールス」「最後は土下座で泣き落とし」「同情されるダメダメ感の出し方」「母性をくすぐる営業スタイル」「オヤジを殺すその一言」など取り上げられることはない。それに慣れた組織はその殻を破る必要があるが、それがない文化の組織は机上の空論として学んでもよいかなと思う。
人と人の関係性が営業なので、そういう泥臭い部分を抜いているのが本書の欠点だろうか。
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 10月号 [雑誌]
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク(書評・感想)






