2008年08月30日
「残業ゼロ」の仕事力(書評・感想)
- はじめに
- 現在ソフトランディング中
- 第1章 御社の残業がなくならない理由
- 第2章 問題はとにかく「分けて」考える
- 第3章 次に「会議」を変えていこう
- 第4章 「残業ゼロ」の達成まで
- 第5章 「速くて強い」チームの作り方
- 第6章 「仕事の常識」はこれだけ変わった
- 第7章 本当のワークライフバランス
10時、12時まで残業したことはある。慢性化してくると筆者の言うとおり就業時間中は間延びする。体育会系の体力バカでも無い限り間延びさせないのはムリだ。私は特別体力がない。
誰も本気で残業を無くそうと考えていないのですからP15
この傾向は残業がつかない管理職ほど支配的だ。「残業がつかない自分は仕事をしているのだ」
会社だけでなく、残業は
仕事はデッドラインをつけP27
あなたの会社ではどうだろう?残業の多い人ほど締め切りを守らないのではないか?筆者が社長を勤めたトリンプでは締め切りではないのだ。デッドラインなのだ。死ぬのだ。
いまだに休日返上は「偉いこと」。残業は仕事ができる一つの指標となっている(と思っている人がいる)。
「ノー残業デーだからはやく帰れ」といわれると私は恐縮する。私は同じ時間に帰っているからだ。
残業がよしとされると遅いもん勝ちになる。効率を低下させ、だらだらと仕事は続く。手持ち無沙汰になってもなんとなく書類に目をやる。
会議もデッドラインがなければ雑談になる。どこかで話を切ってあげないと終わることもできない上司が多い。
究極の会議は「会議の議題はないか?」であった・・・。
残業ゼロ。経営者が口すっぱく言って、とは言えできないことを半ば容認して、「そんなのムリだ」と抵抗する従業員の姿が目に浮かぶ。
残業をしない、デッドラインを死守する。これは苦しいことである。手の遅いものは白旗を上げるだろう。それだけ厳しい環境が職場に存在するということだ。
「自分の会社では残業をしないのは無理だ」と言う方も多いと思う。個人単位ではムリかも知れない。
しかし、本書に述べられたとおり経営者から従業員まで実行すれば可能かも知れないと思わせる。はっきりは書いていないが私も常々思うことだが「やらないことをみんなで決める」
というプロセスがないことがないことも大きな要因だ。会議でもなんでも次から次へとやることを決めていく。選択と集中といいながら、集中するものを増やしていくばかりなのだ。
密度を上げていくことは重要だ。簡単な方法は電気をダウンさせること。まずは8時に、それから7時に、そして6時
に。
実際筆者は電気を消して回ったそうだ。
以前私の上司は実際に鍵をかけてまわっていた。個人情報もゆるい時代には書類を持って返って仕事をしたものだ。おかげで密度を高めることには慣れたが、それができなかった人は見事に無茶苦茶になっていた。
デッドラインと職務範囲を決めると驚くほどデキ・フデキがはっきりする。残業を支持するものの多くが条件を曖昧にしておきたいのだと思う。
本書は経営者にぜひとも読んで欲しいものだ。慢性的に残業の多い会社は必ず就業時間中の密度がまばらになっている。間違いない。
(社員が)金を払って残業する。そんな未来はそう遠くない。
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デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)
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この記事へのコメント
読書系女子と申します。
(変な名前ですみません。もっとマシな名前にすればよかった…)
残業ってホントに減らしたりゼロにしたりできるんですか?
この本、読んでみたいです。
(「夜の3時間は自分に投資する」って書いているのが見えますが、そういう気持ちがないと残業しちゃうのでしょうか?)
コメントありがとうございます。
残業を減らすことやゼロにすることは可能だと思います。しかし、一部門だけではムリで全社的に特に経営者が本気にならないとムリでしょう。吉越氏も何年もに渡って残業ゼロを達成したようです。
もう一つはアメリカのように職務範囲を明確にする必要があるので、個人の努力だけではムリなようです。
投資するために「大学院」に行くとか大義名分を作るなど個人として強い意志が必要かもしれませんね。
という、概念そのものがまるっきりなかったわ。。。
マリンゾウさん、すごい人なんですね@@
とりあえず、本読みます(今、買ってきたのです)
丁寧なコメントありがとうございました。
(残業してるのは、私じゃなくて夫なんだけど…)
とっても面白く読めました。
(夫はこの本を見ただけで嫌な顔したので、貸してやらないことにしました。)
いい情報、ありがとうございました。
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