2008年12月02日
ザ・チョイス The choice (書評・感想)
抽象的概念の苦手な人は端の議論ばかりに時間を費やし、個別の事象にとらわれる。逆も同じ。抽象的な概念を説明されても個別事象に置き換えることができない。たぶんそういう方にはこの本は向かない。そうでない人には非常にわかりやすい。

ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!(エリヤフ・ゴールドラット著)を読む。
- 第1章 二つの選択肢
- 第2章 <レポート> あらためて、常識とは何か
- 第3章 なぜ、当たり前のことができないのか
- 第4章 ものごとは、そもそもシンプルである
- 第5章 矛盾と対立
- 第6章 信念を行動に
- 第7章 調和
- 第8章 <レポート> 決して、わかったつもりになるな
- 第9章 ウィン・ウィン
- 第10章 <レポート> 決して、わかったつもりになるな
- 第11章 機会はいくらでもある
- 第12章 <レポート> 販売期間の短い製品
- 第13章 限界なき可能性
- 第14章 明晰な思考とトートロジー
- 第15章 <レポート> コンフォートゾーン(Part1)
- 第16章 人はもともと善良である
- 第17章 <レポート> コンフォートゾーン(Part2)
- 第18章 感情、直感、そしてロジック
- 付章 フリーダム・オブ・チョイス
『人はもともと善良である』
『すべての対立は解消できる』
『ものごとはそもそもシンプルである』
『どんな状況でも飛躍的に改善できる』
この実践は難しい。
つまり、いかなる関係においても双方の利益につながる変化が存在する、という考えをもってスタートすべきというアプローだ。そんな変化が存在するかどうかは問題ではない。P127私たちは日々そういうアプローチを行っているだろうか?「そんなの無理だ」とか言い訳に終始していないか?物事を0か100で考えていないか?
利益が見つかると企業も人も独占しようとする。「お互いのウィン-ウィンがある」等考えもしない。
家電業界では共同で行う(液晶など)ようにはなってきたけれども、同業他社というのはライバルであり、敵である。同業他社とのアライアンスはタブーとされてきた。
「利益を半分にするけれども、リスクを半分にする」「取り分はライバル社の方が多い」なんて提案は一蹴されてしまう。
経験的に年齢だけの問題ではない。業界の商慣習につかっている時間の問題でもあり、人間の本質であるのかも知れない。
そういうことを人に身につけてもらうためにはどうすればいいか?
「エフラット、おまえはどうやって明晰な思考の練習をしたらいいのか、私に聞いたが、答えを教えよう。ひとつの課題を決めて、その分析ばかりやっていてはダメだ。〜中略〜一つに決めるのではなく、身近なすべての事柄すべてを対象にしたらいい。少しでも気になることがあったらすぐにその原因と結果について考えてみるんだ。P200たぶん部下側としてはそういう多方面からの分析をきちんと上に示す必要がある。
〜中略〜自らのオペレーションに関する限り、あるいは自らのコントロールできる範囲において稲光のような速さで動くことができる。しかし、その領域から一歩出てしまうと、様子は少しばかり違ってくる。P23変化に対して大きく抵抗する人がいる。それは生物の根源的にホメオスタシス(現状維持活動)に関係があるとも思える。
だから相手のわかるような言葉や表現をときには必要である。この点もきちんと説明されているのでご安心を。
抽象的概念を自らの経験に落としこめる人にはきわめて有効なのが本書。Amazonでは厳しいレビューも散見された。
「言われてみればわかるけれども・・・」
たぶん、そういう部分が見過ごされているように思う。個別の事象だけに固執してはいけない。
さまざまな事象のもとを辿ればシンプルである。本書をチョイスして確認されたい。
製造に関わる方必読

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