aamall

2008年12月09日

組織改革?BPR?へっ?

以前、廃止になったBPR案が出てきた。以前も不況だった。

BPRとは、業務やサービスのプロセスを機能別のタスク・要素に分解し、各タスク要素を全体のプロセスを見直す観点から、部門などの組織の壁を破り、抜本的な再設計・プロセスの再構築を行うことによって、業務やサービスの効率や効果の向上を目指すことをいう。BPR

行政改革担当大臣が行政機構のスリム化を目的に設置された。ただ、目に見えるスリム化はできていない。理由は
  • 各省庁の抵抗を受けている
  • 各(利害関係のある)族議員の抵抗を受けている
  • 法案が成立しても(文面を微妙に変えて)骨抜きにされる
  • それを跳ね返すだけの大臣権限が認められていない
調べなくてもそんな感じだろう。

身近な話に戻す。「組織改革急務」との認識からあるタスクフォースが立ち上がった。利益を出すために人件費を抑制し、それに見合った組織を改革をどう行うか。

その
中に「BPR課(仮称)を立ち上げよう!」

これは、行政改革を行うため、「行政改革担当省を立ち上げよう!」という考えに酷似している。組織をスリム化するために組織を立ち上げる。公務員を減らすために、公務員を採用する。

完全に矛盾している。

(当社のことだけれど)裏には、余ってくる中間管理職の処遇問題がある。廃止する課ばかりだと、課長や部長は、降格に近い処遇をせねばならない。

冷血な英断を下せる経営者やタスクフォースならできるかも知れない。しかし、部長や課長が身近な人物であれば、できるだけ
(それは能力にかかわらず)横滑り的人事をしたいのが人情だ。
「今日からBPR課長に着任したマ・リンゾウです。なにぶん新設された課です。当社、各部署の機能・業務・プロセスを徹底的に見直しまししょう。みなさん4649!」かくして課長マ・リンゾウは各部署の機能を総ざらいし、機能を見直し、スリム化と利益を出す体制の整備に乗り出す。「私だってすべての部署を経験したわけとではありません、今日から各部署に機能・業務をフローチャートにして報告してもらおう」

「迷惑な課ができたものだ」と噂される。報告を求めるばかりで成果はまったく見られない。機能や業務のフローチャートを作るために残業までしている。

当社(仮)は7の部と15の課からなっている。BPR課から求められた報告は各課がそれぞれ行うから×15倍の業務量になっていることに課長マ・リンゾウは気がつかない。それでも一覧にした各部署の機能はECRSなどを使ってある程度取りまとめられる。
「くだもの課の業務は野菜課と統合、なべ・やかん課は機能的に廃止してもかまわないね」 しかし、「くだものは甘いから野菜課と同じにすると困る」とバナナ課長から突き上げを受ける。なべ・やかん課長は「なべ・やかんがなかったら野菜課は困るじゃないか!生で食えっつうのか!」それぞれ主管のドリアン部長と圧力部長を通じて怒り心頭。

知識や調整能力を認められ、抜擢された課長マ・リンゾウはほどなく失脚する。
裁判官は法の知識調整能力を発揮して和解や調停をしているわけではない。最終的に従わせるだけの強制力、権限がある。もちろん法に沿って妥当な提示をするけれども、利害の一致しないものがお互いに満足するわけではない。

BPR課を新設することでBPRがなるか?それはたぶんNOだ。そういう部署を作ると決めたことで組織改革がなった気になり、組織改革を先送りしている。

もし成功するとすれば、
  • BPR課をトップの直轄とし、強権を持たせる
  • 各部署は従うことを最初から決定する
  • 時限的な課とし、課を新設する前にゴールを決める
  • 原則として他部署に負荷をかけない
これくらいの取り決めがなければ、何もできないし、何にもならない。

組織としての利益と各部署の利益は必ずしも一致しない。部分的に最適でも全体的に最適とは限らない。

部分最適をきちんとすり合わせることが必要で、それも課長とかそういう自分の利益を優先しがちな役職の人は無理かもと思う。

案外下の人間の方が自分の課を守ることに対して興味がないからいいかも知れない。

最終的にスタッフなんて、同じ機能を発揮できれば小さくなったり、なくなったりしてもいいと私は思っている。

大きくなると何かと邪魔だ。

6畳間に50インチのテレビはふさわしくない。

適当な大きなというのが何事にもあると思う。

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組織は戦略に従う、戦略は経営者に従う、では経営者は?
将来やるべきことを先取りしてやる


blog49 at 00:01│Comments(0)TrackBack(2)clip!仕事 

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組織は戦略に従う。アルフレッド・D・チャンドラーJr.が言ったとか。戦略は経営者が決定する。経営者は各ステークホルダー(株主だったり、従業員だったり、顧客だったり)に従う。 いや時代に従うのではないか。
2. 組織150人の法則と部署の適正規模について  [ blog50-1 ]   2009年03月28日 18:15
人事異動により私のいる部署を含めて、フロアにいる人数が増えた。酸素濃度がやや薄くなるくらい、密集している。はじめてフロアに入る人はたぶん、独特の空気と匂いが感じられることだろう。においはホントのオイニー。選択と集中、業務の細分....

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