aamall

2009年02月09日

「分かりやすい教え方」の技術(書評・感想)

「今年の新入社員は馬鹿が多いんじゃないか?」

噛み砕いて説明しても説明してもわからない生徒たちを抱えた課長が愚痴をこぼしていた。

「数をとると一定数理解がすすまない人はいると思いますが、全般にレベルが低いということは考えにくいですね。むしろ、問題の方のレベルが上がっているのでは?」

なんて会話をしていた。

「分かりやすい教え方」の技術(ブルーバックス)
「分かりやすい教え方」の技術(藤沢晃治)を読む。




  • 第1章 その教え方はなぜ「分かりにくい」のか(ダメな教え方がいっぱい!;ダメな教え方をするのは誰か)
  • 第2章 「教える」とはどういうことか(「説明する」と「教える」;「教える」の五つのポイント)
  • 第3章 「分かりやすく教える」五つの心構え(先生役を気楽に引き 受けよ;生徒をお客様と思え ほか)
  • 第4章 「分かりやすく教える」八つの技術(生徒のレベルに合わせよ;「目標」を認識させよ ほか)
  • 第5章 「分かりやすく教える」チェックリスト
社会人になると教え上手な人はいるものの、教え方自体を学ぶ機会は少ない。

私は塾講師、家庭教師などのアルバイトをしていたので、
相手の「頭に滑り込みやすい表現」というに七転八倒した覚えがある。

塾はレベル別のクラス編成なので、比較的学力のバラツキが少ない。
とはいえ、下のクラスの授業なんかはかなり噛み砕いて、原型をなくすくらいの表現をしないと頭が拒否する。

会社での研修の多くが、説明する方に重点が置かれる。商品の概要・取り扱い方法などなど。

エンタメ性がなくって興味が向かなければぜんぜん頭に入ってこない。必要性が薄い人間には馬の耳に念仏。一方で理解力のある人は資料を読んでわかってしまうから、聞いてない。

「教える」の五つのポイント
  • 「教える」とはサービスすること
  • 「教える」とは説明すること
  • 「教える」とは観察すること
  • 「教える」とは分解すること
  • 「教える」とは誘導すること
会社ではサービスの観点が忘れられる。
「教える」の目的は一見、ある技能を学ぶ側に単に伝達することのように思います。しかし私は、「分かりやすく教える」とは、生徒に「お客様として満足してもらう」ことだと考えています。P43
同じ会社といえどもバラツキがかなりある。20数年人生を過ごしているだけに、言葉の理解でもバラツキがあっても当然のこと。

それまで「勉強」という共通言語はあるものの、「業界での必要知識」は必ずしも共有していない。
先生としては、生徒のことを同じ日本人というより文化的背景の違う外国人くらに思って、丁寧な説明を心がけた方がいい。P75
会社に入ってからの年数が短いものを相手にするときほど、このことを心がけた方がいい。

講師側も「会社の常識は社会の非常識」になっていることに気がついていない。

アメリカ人のプレゼンテーションがうまいのは、英語という共通言語はあるものの、背景の違うものを相手にすることを前提にしているからだと思う。

そういう部分を早く会社に取り入れることができれば、若い社員が早く共通言語を手に入れるのではないか。

本書は教えるという技術についてそれほど難しいことは書いていないけれども、会社で教育にかかわるものにはきわめて有用だ。

以前にも書いたが、一定数の部下を持つ管理職は、仕事の多くを教育に割くべきと考えている。

もちろん、一定の年齢を過ぎた方に教える場合は難しいのだけれども、評価というのは働きかけがあってはじめてするべきだ。

観察だけなら直属の上司でなくてもできる。

十分教育をして、それを自分の「鏡として評価している」管理職は何人いるのかしら?

「今年の新入社員は・・・・」「若者のなんとか離れ」は似ていると思う。

定点観測と思っていても、お互い位置取りが代わってフローしているだけなんじゃないか?といつも思う。

先輩なら読んどけ。


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