2009年04月12日
江戸秘伝 職養道のすすめ(書評・感想)
占い師とか易者はなんだか胡散臭い。それでも長く商売されている方も多くて、ちゃんとスキームが受け継がれている。
それを知ってか知らずか、振り込め詐欺なんかはきっとその流れを汲むのだと予想できる。

江戸秘伝 職養道のすすめ (講談社プラスアルファ新書)を読む。
それを知ってか知らずか、振り込め詐欺なんかはきっとその流れを汲むのだと予想できる。

江戸秘伝 職養道のすすめ (講談社プラスアルファ新書)を読む。
- はじめに
- 第一章 江戸ビジネスの免許皆伝
- 第二章 信用を得る
- 第三章 稼ぐ
- 第四章 独立開業の必殺技
- 第五章 職養道の奥義
職養道とは、文字通り、職を養う道のことで、江戸時代に年季明けて独立していく職人たちに、師や親方が職業上の心得をを集大成したものです。P3商売上のテクニック集だろう。その多くは口伝で散逸してしまったものも多いという。
これはかなり高度なテクニックな技術ですが、お客が「では」と腰を浮かしたタイミングで、何か一言、たとえば「明日がいい日ですよ。お参りにでも行かれるといいことがあるでしょう」とか〜中略〜この帰り際の一言が効くのです。P112刑事コロンボ、古畑任三郎、そして相棒の杉下右京もこれを多用する。
「あっ・・・ちょっとよろしいですか・・・」
江戸時代から変わらず、緊張から弛緩のせつな、心に言葉がすべり込み、素直にさせてしまう。それまでの完璧な振る舞いも捜査を決定づける証言をもたらすなど、本音ポロリ。
こういった心理的側面、知恵の集大成。
街占の易者が、通りすがりの人を呼び止めるのを「熊谷」といいます、〜中略〜この熊谷の名人は、これはという客を見つけたら遠くからでも相手を目でとらえ、ずっと見続けることだといいます。〜中略〜しかし、これはマニュアルがあるわけではなく、右足が地に着いたときに声をかけるとか、フッと相手の力が呼び止めるとかいい、P136車に乗る者同士でも相手に視線と意識を集中すると目が合う瞬間がある。この手の「間」みたいなものが相手によって違うわけだけれども、ナンパや営業の達人はおそらくこれに優れている。
最初にどう声をかけるか?2回目をどう取り付けるか?クロージングまでたどり着くにはどういうプロセスを踏むか?それは実地で学べばいい。「お願いします」の技術伝承もちろん私は何の達人ではないけれども、1対1の、相対の技術は実践でつかんでもらうしかない。
マニュアル化しても、その息遣いはその時、その場でしか伝わらない。長い時間を過ごして学ぶ徒弟制度がなくなって失われたのはそこだろう。
ところが、絶対に同調してはいけないものに、その人の配偶者、子供、死者の悪口をいうものがあります。相手がどんな悪口を言っても、一緒になって悪口を言い合ってはいけません。自分の夫や子供のことは、誰でも他人からはとやかく言われたくないものです。P172こう言った知恵は教えられることが少なくなった。飲み屋で語られるおっさんの経験値は時代にそぐわなくっている。
しかし、いつまでも現役のおっさんの話は、「その時、その場」で聞くことができれば、説得力のあるものに違いない。
だから、管理職になったからといって一線から離れてはいけない。
心理的な機微は小説にでもしない限り、表現するのは難しい。
本書のとおり、口伝でしか伝えられないことは多くあっただろう。
人生に生かす易経著者:竹村 亞希子
販売元:致知出版社
発売日:2007-11
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