2009年04月17日
「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?(書評・感想)
時事・経済が嫌いな人の登竜門。
丁度いいぬるま湯。
本章の1/3は図や絵だもの。わかりやすさで群を抜く。ニュースだけ見て一元的な思考停止に釘を刺す。
でも、未納が増えなくても年金はきっと破綻するよ!
「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)を読む。
丁度いいぬるま湯。
本章の1/3は図や絵だもの。わかりやすさで群を抜く。ニュースだけ見て一元的な思考停止に釘を刺す。
でも、未納が増えなくても年金はきっと破綻するよ!
「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った? ~世界一わかりやすい経済の本~ (扶桑社新書)を読む。
- 第1章 学力や思考力は日常の会話方法で飛躍的にアップする!
- 第2章 なぜ人は「宝くじの行列」に並んでしまうのか?
- 第3章 なぜアメリカの住宅ローン問題で私たちの給料まで下がるのか?
- 第4章 「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?
野党議員:「年金の未納者は○○%なんでしょ?100年安心の年金プランって言ってたじゃないか!公約どおり△△%で達成できなきゃ民間の経営者でならクビですよ!」
官僚:「△△%等(とう)と申し上げておりまして・・・」
音声だけ聞いていたが何がなんだかわからなかった。
本書では年金の未納者は国民年金第1号被保険者に限られており、(サラリーマンは天引き)未納割合は全体の5%と指摘しつつ、このように説明する。
そもそも未納者は将来年金をもらうことができないので、国の年金制度は未納者に対しては将来的な負担は生じないのです!P161〜中略〜・・・正しい気がする。
ところが、年金には負担に備えるために約200兆円の「年金積立金」があるので、〜中略〜国は将来、その未納者に年金を支払う必要がないので、その未納者ぶんの保険料が「年金積立金」から減っても、特に問題は起こらないのです
現在は現役世代が高齢者を支えている。近い将来、少子高齢化で現役世代2人で一人の高齢者を支えるとか聞く。
将来年金を私たちが受け取るためには前提がある。
- 年金積立金が一定の利率で運用され増えること
- 年金を現役世代が払い続けること
2.は未納の人はもらえないのだけれど、野垂れ死ぬのを見過ごすわけにもいかないからどこかで支出が必要になる。それは生活保護だったり。結局何かの形で支出がなされる。
国庫負担割合を増やせばいいというものではない。「年金積立金」だろうと、医療・介護だろうと最終的に財布はひとつだ。
未納者の割合にかかわらず、年金積立金に関わらず、すべての支出について日本は将来の不安を払拭できない。年金だけじゃなくてほとんど破綻じゃねえ?
年金は将来支給年齢を引き上げればいいし、介護保険は保険料を上げればいい。医療費の負担は3割から5〜7割負担とか上げて、消費税を引き上げれば「なんでもこい!」だ。
未納者だけの問題ではなくって、政治の先送り、ひいては私たちの先送りのせい。
払えないものは払えないし。
細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!
著者:細野 真宏
販売元:小学館
発売日:2008-09-01
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年金に限らず、若者は損しているとの疑念がある。今までは先送りでも将来の果実を得ることができたけれど、それも難しくなっていく。
「きちんと計算した結果 年金の支給開始年齢は20年後80歳になりました!」
はっきり言ってしまった方がみんな楽かも。生涯現役が増ならざるえないから。そういう人生設計もありかもね。思考停止に陥らないでしっかり考えましょうというのが本書。
借金しまくって消費し景気をよくするか、1円貯金で将来に備えようぜっ!
高田コレクション フェイスバンク グレー
販売元:バンプレスト
発売日:2007-08-10
おすすめ度:
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