aamall

2009年09月27日

たった1%の賃下げが99%を幸せにする(城繁幸著 書評・感想)

派遣切りが話題になる前に、私の会社では派遣がなじまずいなくなった。

ここ3年で正社員を採りすぎたため、パートが余剰となった。退職するパートを補充せず、その仕事は高齢の正社員が受けることになった。

パートの仕事を正社員がそのままやっているから、その部分だけ人件費は3〜5倍には膨らんでいる。

たった1%の賃下げが99%を幸せにする
たった1%の賃下げが99%を幸せにするを読む。



2012年、与党は新・再チャレンジ支援法案を国会提出、同年のうちに施行されることになった。〜中略〜具体的には、年間新規採用数100人以上のある大企業に対して「非正規雇用労働者から採用すべき」と明文化したことだ。〜この制度により、初年度だけで2万人、3年で10万人の非正規社員が、正社員に採用されることになった。P42
まあこれくらいしないと、ロスジェネ世代より下で非正規道を進みだしたらほぼ戻れないのが現代。

つまり河野某が総裁になるために「世代交代!」を叫んでも「まず、政権交代!」と言って閣僚が以前の政権より平均年齢上がっちゃったみたいな。

つまり、大蔵こそ、ロスジェネどころか、ロスジョブなのだから、頭はあれくれいバカ若くないといかんのだ。

収益はまず間違いなく先細りなので、非正規社員をむしろ雇用していかなかればならないのだけれど、一本指でパソコンを打つおじさんは3〜5倍の人件費を食っているわけだから、パートの3人〜5人は雇えない。

筆者の言うとおり、年齢を基準とする給与体系を是正しないといけない時期だけれど、日本はそのタイミングを失った。成果主義で失敗してそのまま景気が上向きでチャラ。年寄りの冷や汗とはこのことだ。

欧米では同一労働・同一賃金が割と進行しているようなので、同一労働へのスライド(転職)が割と楽で、おじさんの給料は
高くない。セーフティネットもしっかりしている的報道も見る。まあ一部なんだろうけど。

おかげで学生の多くが借金まみれという弊害も生まれているのだけれど、逆に自己責任の自己投資という概念は生まれているのだろう。

いずれにしろ、仕事の細分化が難しいなんて言い訳のもとに職務給の徹底がなされておらず、評価も曖昧なのが日本の特徴で、Eで評価されても給料が半分になることはない。

ぶっちゃけ社内失業者はすでに3割を超えている。職務というか仕事の内容が明らかにならない方がいいのが年寄り。

年齢が給料の多くのファクターなので、途中で入ってくるといきなり給料が高くなっちゃう。

だから入れられない。という理屈がおかしいが事実。

「正社員になれる」なんてニンジンがあれば、非正規でも結構必死にやる。

現にその制度はないが、 昇進が見込めないおじさん よりも 契約社員の方が見た目の生産性は2倍くらいある。

高齢の人間を支えるために、めざましい業績を上げた若者でも給料を上げられない。まあ、年金と同じ仕組み。若者の支える分は増えていくばかり。


会社として生き残ろうと思うと、給料に関しては一回チャラにされるくらいの度胸がいる。もちろん自分世代を含めて。

社会のために、「非正規社員を正社員にしろ!」なんて気はさらさらないけれど、地域貢献なんて雇用以外ではあんまりできない。狭い地域で商売していると、「地域が沈めば自社も沈む」のだから、貢献はせざる得ない。

それなら、正社員になれる仕組みを整えて、人件費の安い非正規の方をバンバン雇ってその中で能力の高い人を正社員にする方が新卒一括採用よりはるかにリスクは低い。

一方で「じじい 来週までにブラインドタッチで10分で800字写経できるようにして来い!」くらいの高齢者の技術を上げる訓練というか、拷問が必要だ。

自分がじじいになる頃にはきつい制度だけれど、その方向は避けられないので、すばやくじっくりと移行しはじめた会社が生き残れる可能性はあるのかなあと思う。

というじじいの時の不安を煽るとまた若い人は軽自動車買って、貯金しちゃうので、「若い頃は自己への投資ですよ!だからここから本を買うと将来必ずかえってきますよ。一冊は3色ボールペンで線を引き、一冊は保存用ね!」と適当な与太をこいておく。

産業を作り出し、労働環境を改善し、生活を豊かにする仕事の主役は、政府でも政治家でも役人でもなく、民間人であるあなたなのですから。
人類史上何度も起きた、クソ労働環境の劇的な改善の原因

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たった1%の賃下げが99%を幸せにするたった1%の賃下げが99%を幸せにする
著者:城 繁幸
販売元:東洋経済新報社
発売日:2009-03-27
おすすめ度:4.5
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