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2010年03月10日

”無料のビジネス”の舞台裏 3月10日クローズアップ現代

無料サービスを使って業績をアップできた企業

skype(無料テレビ電話)を使った打ち合わせで国際電話を使い、経費圧縮。

skypeはなぜ広告収入なしで売上があるのか?
全体の10%以下の一部ユーザーにプレミアムサービスを有料で提供
パソコンのみへの電話ではなく、固定・携帯電話に電話したい。

GREE、無料ゲーム
一部のディープユーザーに課金。全体の運営費用をまかなう。

これらのモデルは現在「フリーミアム」と呼ばれている。


フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
著者:クリス・アンダーソン
販売元:日本放送出版協会
発売日:2009-11-21
おすすめ度:4.5
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インターネット、コンピューターその性能の向上によりはきわめて安くなった。従来の有料サービスがどんどん無料に。

さらに無料化は人間の行動にまで影響を与えている。従来の経済学では説明できない変容。

伝統的経済学では「価格差が同じなら消費者の行動は変わらない

〜ある実験〜
片方を無料にした途端(価格差は同じ)消費者の行動が変わった。無料に魅了され、時には不合理な行動さえしてしまう(損をしてしてしまう)こともある。。


予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
著者:ダン アリエリー
販売元:早川書房
発売日:2008-11-21
おすすめ度:4.5
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(医療機関の)電子カルテシステムまで無料化の波が。一部のユーザーにすら課金しないでなぜ成り立つのか?
電子カルテの(個人情報を除くデータをデータベースにして、製薬会社やヘッジファンドに将来売ること・・・をビジネスモデルにする。

ビジネスを無料化する大きな力とは?
Wikipedia
人は往々にして報酬が無いほうが働くことがある。何万人、何億人に評価される。

〜ある実験〜
「お金を払うからトラックからソファをおろすのを手伝って欲しい」→拒否
ただ「手伝って欲しい」→受諾
ネットの世界では無料で行うことで名声や評価が得られる。

blogなんかはその典型で、「アフィリエイトの収入」>「投稿にかかる労働量」となっているのはごくごく小数の方ではないか。まあ評価をいただけているかは別にしてUUやPVはやっぱり見てるし。

様々な分野に広がる無料化
気象データ会社
無償で温度や風速を報告する5万人
「利用者から寄せられる感謝の声が何よりも報酬である!」
協力によって安い価格で精密なデータを提供できることになった。「量が質に転化してきた」

無料が私たちに何をもたらすか?
コストがかかる業界が衰退する。
無料化できないものが何か?を模索しはじめる。
産業界に変革を迫る。

コンテンツ(出版・音楽・ゲーム・映像)はもう危機的な状況でしょう。

社会の変化はまだはじまったばかり。

私のいる業界もこの影響は避けられないだろうと思う。

本放映の内容はフリーでさらに詳しく知ることができる。ビジネス書としては現在必読と言える内容だろう。


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フリーミアム実践の舞台裏を聞いた

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blog49 at 00:01│Comments(4)TrackBack(0)clip!日記 

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この記事へのコメント

1. Posted by 丁稚   2010年03月12日 19:18
それって国民性に大きく左右されないか?個人差も無視できない。経済学というより心理学、民俗学だな。
2. Posted by マリンゾウ   2010年03月12日 23:12
実験の類をすべて一般化することは難しいでしょう。ただし、デジタル化できるものはフリーになっていくのも間違いない流れで国民性とか、権利の保護では追いつかないと見ています。デジタル化のみならず流通コストをなくすことができる業界はフリーにならなくてもきわめて安くなると思います。
3. Posted by マリンゾウ   2010年03月12日 23:16
一方で、実物経済で価値を増す側面もあるでしょう。資源やその人にしかできないことというのはきっと価値を増すでしょうし、差し向かいというのが非常に貴重なものとなる可能性もあります。
そういう部分で言うと、1億人しか日本語を話さない日本は不利かも知れません。
4. Posted by マリンゾウ   2010年03月12日 23:21
20代以下のデジタルネイティブ世代とそれ以外ではフリーに対する概念は大きく異なっているのではないかと考えています。
「なぜそれをわざわざ有料で買うのか?」という疑問まで抱く人もいるかも知れません。
まだ有料と無料には大きな隔たりがあるように感じますが、きわめて曖昧でなるであろうというのが私の感想です。

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