aamall

2010年10月26日

新卒一括採用をやめるために会社がすべきいくつかのこと

会社が社会貢献できるとすれば、それは「雇用」である。

利益を上げて法人税をたくさん払えばそれも社会や地域への貢献かもしれないが、極端に言うと一人の会社が利益を上げたり、ブラックと呼ばれ、人を使い捨てればやはり社会や地域への貢献とは言いがたい。

利益を上げつつ雇用を広げ、良好な労働環境を提供する。これが社会貢献であり、どっかの阿呆が「内部留保を取り崩して雇用(派遣社員)を守れ!」※というのとは違う。

※内部留保というのは、現金が金庫に眠っているという意味ではなく、企業が持つ資産(売掛金・建物・土地)が自己資本(利益の蓄積や資本金)でまかなわれているだけ



会社が新卒一括採用する理由は何なのか?
  1. 年齢や勤続年数を前提とした給与体系
  2. 同上を前提とした教育体系
  3. 同上を前提とした人事考課体系
  4. 同上を前提とした昇進・昇格の仕組み
  5. 降格など後戻りや再度逆転ができない仕組み
  6. 新卒一括採用が優秀な人材を確保できるとの妄信
  7. 新卒を前提とした大学などの斡旋
1〜3についてはこれまで多く述べてきた。
年齢を大きなファクターとして選んだのであれば、あとで「あ〜降格できないし使いにくいなあ」なんてなるんじゃないかというか、危機感も欠如してると思う。残念な面接の結果をお知らせします
年齢は戸籍でもいじってない限り能力なんかよりもはっきりした指標だし、何年か、何十年かすればその差はちゃんとつくからよかった。ただ、現在は単年度利益を計上するのにたいへんだしモタモタできない。

1.は人件費ゼロサムであれば当面30歳くらいまでの採用が限界だろう。一気に給与体系は変えられないし、モラルハザードを招く。ここはゆっくりしかない。

2.通年の教育プログラムを開講すればいい。すでに運用面だけで可能な教育訓練の回数がある。

3.は結構難しい。「営業という職務に対する考課」ではなく、「○○年目でできる仕事の考課」という基準になっている。職種・職務に対する考課というのは日本企業の課題だ。

4.は勤続年数を引き下げても誰も損はしない。すぐにできる。

5.もまだ難しい。今後の課題。

6.はここ数年は喜んでくれるだろう。

企業には新卒一括採用にもメリットがある。
  • 採用への門戸を開いているというアナウンス効果
  • 修士・博士・放浪癖・アルバイト経験などバラエティに富んだ人員
  • 内定辞退の減少(時間をかけて採用すれば減るんじゃね?)
  • 人員調整が簡単(年に一度の採用だと採用数を見誤る)
中途入社を含めた新卒一括採用は会社に内部変革を迫る。年齢や勤続でやってきた評価や給与、曖昧な職務範囲などの厳格な運用を必要とする。マニュアルでない教育プログラムも整備だって。

また、なあなあの企業の中で降格など厳しい処遇も必要とされる。

仕事の難易度が上がっており、かつ素早く身に着けてもらう必要がある。

入社したときから向上心を持ち、それを維持し続ける人材。

その業界の慣習に染まっていない人材。年齢は必ず役に立たないが経験はどこかで役にたつ。

他の研究や業界を経験した者と既存の社員は衝突もあるかも知れないが、そこに必ずシナジーが生まれる。異質を取り込まない進化はありえない。

社会が要請してくれているのだ。企業にとって今こそチャンスだ


1週間で会社が変わる!採用の教科書〜絶対失敗しない求人・採用・面接の仕方〜
1週間で会社が変わる!採用の教科書〜絶対失敗しない求人・採用・面接の仕方〜
著者:稲田行徳
グラフ社(2010-01-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る





1人採るごとに会社が伸びる! 中途採用の新ルール1人採るごとに会社が伸びる! 中途採用の新ルール
著者:牛久保 潔
すばる舎(2010-10-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

<関連記事>

できない上司はなぜ生まれるのか?憐憫と無責任のメカニズム

今日から当社は同一労働、同一賃金とします

中途入社の憂鬱


<参考記事>

新卒一括採用の是非 - 齊藤豊

新卒一括採用やめちゃっても良いですかねw

企業は「新卒一括採用」をやめるべきなのか?




blog49 at 00:01│Comments(0)TrackBack(0)clip!人事管理 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 

はてなブックマーク
Livedoorクリップ
0 Buzzurl