2007年08月14日
リクルートのDNA(書評・感想)
もの心つくチビッと前、リクルート事件が起こったため、その企業イメージはよくない。しかし本書でちょっとイメージはいやだいぶ変わった。
その変わったイメージというのが、今の分社化であるとか、積極的な成果主義であるとかそういうものを先進的に躊躇なく仕入れてきた企業文化。
でっ、この企業は多数の人材を輩出したこと。何より中途退職者を送り出すときに卒業式をすることだ。ここいらあたり、辞めるときに(リクルートを)うらむものは少ないと思われる。気持ちよく辞めてもらうことは実は企業にとって結構大事なことだ。卒業式をはじめたモーニング娘も最初は十分に機能したじゃありませんか。
また本人が在職中になくなったら家族に年金として給与を与えたことにはびっくりする。ここいらあたりは企業の社会貢献という意味では非常に高い評価を与えられる。ただ激務でなくなっても・・・と邪推はやめてと。ストックオプションに近い社員持ち株とか、社員への分権とかね。。。最近度導入している企業も多いんじゃないかしら。
そこいらあたりがあの事件が起こっても揺るぎがたい企業となった一員かもしれないね。
失敗した事業をスクラップする度胸もあった。特にネット事業へは早く進出しすぎ、早く撤退しすぎたと自省の念も語られている。
そこいらは成功した経営者で語るものは少ない。そういう意味であの事件がどのような背景で起こったかを想像される。あるいはそれはスケープゴートではなかったか。
ここでは語られていないが、もしかしたら紹介されている人々のみならず、ベンチャーの種を蒔きまくって今の企業が多くあるのかも知れない。関係があるかないかは知らないけどインテリジェンスなんかにはDNAが刷り込まれているかも。。。
ともあれ、経営の強化書として一つの試金石になるかもしれない本書。ちょっと勘違いしてました。だって表情が。
もっとはやく出ても本書はよかったけれど、日本の文化的にほとぼりってやつを見定めての出版かも。
結構ドラッガーとか、必死に勉強したみたいですね。成功にはそれなりに努力ってのがあるもの。
こういう企業文化っていいな。なんで自分の選択肢に入らなかったのかと今頃ちょっと思ったり。
まあ、辞めてなお素晴らしいと言える。そんな企業にしていきたいものだ。まあ下っ端ですけど・・・私が辞めるときは涙の卒業式を・・・自分ですると致しましょう。