2007年08月28日
人はなぜ簡単に騙されるのか(書評・感想)
東京ディズニーランドで違和感を感じるのはいい年をしてミッキーと写真をとる人のこと。ミッキーの中身がミッキー吉野かも知れないのに
サイン。
その点トラウマのあるフランキーはかぶりもの全般を恐れていた。かぶりものをしている人を見るだけででかい頭におののき、そしてそそくさと逃げ去った。フランキーが生粋のへタレだったのは言うまでもないが何よりでかい頭の中に尊師よろしく不潔なおっさんを想像していたに違いない。
ディズニーランドにはみな夢の世界に騙されに行っている。2時間ならんで3分間乗り物にのるなんてな本来苦行である。ファストパスをとろうとそれ。頭を走らせてファストパスをいかに使うべきか?そんな苦労をしにいく。
そうそう本書はマジシャンである筆者がその人間の心理的な信じ込みやすい性質などを説明する。自分が享受する現状というものを受け入れるのが人間の性質。平気で遅刻してくる人間にたいして「もしかしておいらが日程の設定とか時間とか間違えて言ったかしら??」と相手を信じて思い返すことがある。騙されているわけではないが信じたいのだ。
そこに考える間を与えずに矢継ぎ早にほうりこめば信じてしまうものらしい。「ばっばあちゃん 車ぶつけて・・・いますぐ100万円払わないとやっやばい すぐ頼む!」「修行するぞっ、修行するぞ」
クロースアップマジックもまあみんな騙されるためにみんな見るというか、見て、目の前で見ると信じてしまうというか。マジックっだっつってんのに。
まあ見たもの聞いたものを信じたくなるのはどうやら人間の心情であるのは間違いない。ある仮説に都合のいいデータにはついぞ目がいくものだ。その出典は関係なかったり。その点ウェブは便利であるけれども、ちょっと危ない。
まあ生活を送っていてはっきり騙されている感はおいらにない。もしかしたら騙されていることにすら気がついていないだけかも知れないが、それはそれで幸福なことであろう。
しかし本書では大筋マジックの話ではあるが、一瞬こころの虚をつかれることがある・・・「あれっ」と。それは本書を読んでいただくとして、マジックはそれらの心の動きをしっかりと捕まえた集大成であることがわかる。
タネばかり気にするのは正しい騙され姿勢とは言えない。マジカルな世界に「中おっさんじゃん、死角から蹴ってやれっ」では行儀が悪すぎか?
騙される機会があれば気持ちよく騙されるとしよう。気持ちよくして騙してくれるならそれも一興だと思う。騙されるって気持ちが悪いこと?そうでもないかもよと思わせる一冊。



トラックバックURL
この記事へのコメント
「おう!アッキー!」
「ああ、ビックさ…ボゴッ、ベゴ、バコ…
…アバラ折れた…」
あの頃アッキーは夢の世界へ「叩き込まれていた」…