2007年09月12日
首相支配(書評・感想)-安倍首相が辞意をもらしたため
しかし・・・「新進党」・・・「シンシントー」ってネーミングはなしだなとかまだ毛も生えそろわない・・・いや生えてはいた若造ながら思っていた。現在の「国民新党」も中国の「国民党」をイメージさせるし、なにより新を名乗るにはあまりにも古参な顔ブレ。「古き良き日本党」とかにすればよかったのに。。。
でっ現在の自民・公明 民主・社民・共産あたりになるまでの流れが物語として十分に読み応えがある。今の省庁再編もそれまでの流れも楽しく岩波というかための新書なのにすっと読める。
今となっては新生党も自由党も誰がいたっけみたいなそこいらは読み飛ばしてもちゃんとこの物語の主役が据えられている。
それは小沢氏だ。自民党を割って出て以降の政界の潮流は彼の動きに大きく影響されている。しかしこれまで自民の本流であったことのほか、政治に縁のないおいらが言うのもなんだが決定的な要因、政権の中枢に入れなかったのはあの面構えだと思う。
どうか考えてもヒールだ。そして策士策に溺れてきたタイプだ。ただ政界再編の中でもっとも動いた一人であろうし、この本の中でももっとも名前の出てきてる一人であると思う。しかし、動きすぎた。きっとみな動きすぎるリーダーというものを好まないのではないかと思う。自民党の古き良きDNAをもっとも受け継いできたのではないか。
でっ小選挙区制と橋本内閣の行革への意欲により小泉政権の安定と安倍政権の発足にいたる。これらに世論が深く影響し、派閥の結束を固めるよりも国民の合意を得る本来の方向へ動いていく。
「郵政民営化すればすべてうまくいくっ」
これがうまくいくのかどうかはもっと先にわかることだろう。
今の政権に話をうつす。近年の政治家のみなについて思うことは昔ほど何事にも旨みがないということ。族議員がそれなりの利権をせしめることも、また企業からつけとどけを受けることも難しくなっている。
さらに今回の内閣改造でなぜ支持率が上がったのか(批判した舛添氏の入閣がイメージをおしあげたか)そのへんはよく理解できない。がちょっとこの支持率調査に関与して人は安易かも。このへんは政策とかそのものよりも禊的なイメージが大きく影響しているのだろう。
現政権の評価はわからないが、往々にして2世、3世議員というのは結構真面目だったりするのではないか?なぜなら昔から大きな苦労をしていないので、金に固執しない感じ。第一それが政治生命線を断つ。領収書の4重計上だって・・・そりゃないぜと思ったらやはり年齢が高齢だ。
まあ「美しい国づくり」のネーミングはまずかった。抽象的過ぎて・・・美しいって何よ?ハイビジョン?・・・みたいな感じになっていた。それと育ちがよすぎるがゆえ、ゲスな感じが一切しないのもまずすぎた。わりと美しい世界で育ってきた人間なので美しくない底辺の反感を買ったのかも知れない。ただこう私欲を持つタイプではないような。
でやはりヒールは政権をとることのないまま、政治生命を終えると思う。そういう画策的なところはもっとも嫌われるところだし、今回の参院選でも 誰もヒールに投票したつもりはないとだだろう。
ヒールであっても政権をとれると思っているのかも知れないが、それは(政権ではないが)中枢にいるからこそ見えないことかも知れない。健康にも不安がありそうだ。
大昔に日本改造計画を読んだときはそれなりだなとか思ったものだ。若いおいらには大前研一なみの大風呂敷がまぶしく見えた。
しかし、マスコミの論調を見てもピークは終わった感がある。ただ引き際がわからない感じ。
小泉首相の政策の評価はおいらにはする力はない。ただ感心するのは 慣例破りと引き際だ。あれだけきれいにスムースにしりぞいた首相ははじめてみた。
創業者利益ではやばやと引退するアメリカのベンチャー創業者をイメージした。
恋愛も仕事も・・・そして政治も何事も引き際だと思う。まあまだ引き際を考えることはないが・・・政治の変貌のみならず時代の変貌もあったりするのではないか?
次を狙うはとてつもない日本か〜。。。
なんというか・・・ヒールだな・・・。
派閥が弱くなった理由。安倍内閣の組閣の理由なんかの源流はすごく理解できた。とてつもない日本か美しい日本か・・・。まあ世論という名を借りたマスコミに流されることのないよう・・・世論調査されたことがない身としては・・・慎重に見極めたいところ。個人的にはあまり細かいところで議論をしてほしくないとは思っている・・・一方でとてつもないとか美しいとか形容詞のみの論争もいかがかとは思う。ましてバラマキは勘弁だ。
とてつもないか〜途轍・・・途方もないか・・・
本文は8月31日にUPしたものを再度アップしたものです。

