2007年09月24日
官能小説の奥義(書評・感想)
- 序章 官能小説の文体の歴史
- 第一章 性器描写の工夫
- 第二章 性交描写の方法
- 第三章 フェティシズムの分類
- 第四章 ストーリ展開の技術
- 第五章 官能小説の書き方十か条
本書は官能小説の書評を書き続けた筆者の集大成。
〜中略〜
簡単に言えば、読者の性欲を刺激し、オナニーさせる小説であり、さらに重要なのは、人の心の底にもっている淫心をかきたてさせ、燃え上がらせるための小説である。
オナニーのためだけなら〜中略〜アダルトビデオ〜文章を読んで興奮するということは、想像力が働くということである。言葉に触発され、頭の中に映像を浮かび上がらせるのだ。 序章より
自己啓発書や純文学も人の行動に変化を与えるけれどもこれだけ直球で行動をいざなうものはないわけだ。
バーーチャル・リアリティの真骨頂といってよい。AVでも貧弱な見方としては内容を飛ばしまくって抜きどころだけを見ればいいわけだ。それに文句はないけれど、エロはそこにたどり着くまでの必然性、その描写などがエロなのである。
ここいらへんは玄人好きな人にはわからない部分かも知れない。あくまで受動的であると。
とはいえ、男女ともエロはほとんど頭でしている本来能動的な行為である。
まず 人間は言葉ありき。
これらを分類し、わかりやすく解説した本書は文章を書くものにとって多いに参考になる。おいらたちはまだまだ表現する術を知らないことに気づく。
その昔男子校だったフランキーはフランス書院文庫の官能小説を「黒本」と読んでいたそうだ。それらをまわし読みする仲間のことを「黒本同盟」呼んでいた。
本当に想像力を掻き立てるAVは年間何本あるだろうか?
それが女性ファンがなかなかつかない原因であると思う。
レディコミの多くが行為そのものよりもそこにいたる過程を楽しむ。
低予算ではあるが・・・AV監督もこれを読んで勉強してはどうか?本書はそれくらい価値ある一冊である。
ともあれ、そういう市場すら十分彷彿させる官能の1冊に感動すら覚える。
と魚肉ソーセージを握りそれをほおばって本文を書いている。
表現とは不思議なものだ。
映像と音よりもエロいものがある。
リアルよりもリアルなバーチャル。
それをあなたは知ることになる。
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この記事へのコメント
フランキーが休日の雨の日に、キャンパスに至る階段をスキップしながら登って来た事を思ひ出す。わしが提供するただ「それ」だけのために。後藤●り子だったか…嗚呼!青春。