2007年11月05日
組織と年齢と能力(人事管理)
社員の年齢に応じて支払われる「年齢給」と、全員一律に昇給する「定期昇給」を廃止すると発表
賃金の2割程度を占めている「年齢給」を廃止し、代わりに「習熟給」と「役割給」を導入する。
・・・年齢の扱いか・・・。
組織において年齢というのが近年扱いにくいものになっている。
年齢給を採用している会社だと
- 年齢によって同期(入社)間に賃金格差が発生
- 職務と年収が必ずしても比例しない
また役職に一定の年齢要件を設けると
- 年齢によって同期間に要件格差が発生
- 若年層のモチベーションダウン
ただし、年齢は指標としてきわめてわかりやすい。学歴は同じような大学だと区別がつかないのに対して年齢は(詐称しないかぎり)絶対的指標となる。(年齢・学歴を積極的に肯定するわけではない)もちろん指標となるだけで何を表すわけでもない。
「能力」はもとより「成果」は環境要因に大きく左右されるため、短期の賃金に跳ね返すのまだしも、役職などの長期のインセンティブに跳ね返すと組織として危険が生じる。
初任給高卒○○万円、大卒○○万円、(うち年齢給○○万円)という差も(19歳入社、23歳入社と24歳入社(一浪)で)生涯賃金では「4年とか1年定年が長かったり短かったりするからチャラじゃん」と。
年齢給を基本とした賃金体系は組織拡大基調、及びライフスタイルが一定の場合にはきわめて有効に機能した。
組織が拡大基調ならば、組織ピラミッドを維持できるため、全体的な人件費は(若い人が多いため)低く抑えることができる。「お前も将来偉くなったらね!」の実質的な後払い制度。ペイフォーパフォーマンス バット フューチャー(ただし保証なし)
また30歳結婚、子供1〜2人など平均的なライフスタイルを送る人にも子供が成人するまでの期間、給与が上がり続けるため、小遣いが減ることはない。→給与って小遣いとかで決まるの? 将来が漠然とだが読めて、安心して勤務できた。
しかしだ、組織の拡大基調、平均的なライフスタイル、いずれもが崩れつつある。まして組織の存続という話になるともうその不透明度ったらない。また企業の多くがバブル崩壊後は一部層のリストラと給与カットで乗り切った経験しかもたず、そのときに(システムとして)耐性を十分に身につけることができなかった。
一昔前まで業務が確定的であったころは 年齢=経験≒能力もまかり通ったし、なんとなく説得力もあった。学歴も人に見える指標として(もちろん仕事力は表してはいないけれど)客観的ではあった。しかしそれも求めれれる能力が多様化し測りにくくなる昨今難しくなっている。
年齢とか学歴という指標がじょじょに持つ意味がなくなってきているのはたしかであるが、一方で「成果」とか「能力」とか確たる指標を持ち、十分に機能している企業は少ない。
まずはゼロサムで若年へのシフトが始まっている。しかし、まあ後払いがなくなっただけで先にメリットを享受した分、「あとは自分で考えな!」で昇進・昇格しなければ給与は増えない。
かといって社会全体として雇用の流動性は確保されず、転職年齢もおよそ35歳がアッパー。そこが一つの分岐点になる。分岐点を越えればよほどのスキルが無い限り組織の「仰せの通り」場合によっては暗黒面へ。
おおよそ22歳、35歳が(日本企業における)組織での分岐点。
だいたい新聞の求人欄を見れば〜35歳と書いてある。
個人差があるにも関わらず35歳を多くの会社が中途採用の基準とする理由はよくわからない。
30歳で子供を作ると5歳、小学校入学前。転校しなくてすむ(保育園は卒業するか)まあ今のとこそれくらいか。
同一労働同一賃金の方向性は確実に進展している。しかし、労働の形は明確ではない。同一労働かな?・・・じゃあ同一賃金かな?・・・。まだ「えいっやあっとう」の世界だ。
「労働の量」に対する賃金設定はできているが、「労働の質」に対する賃金設定ができていない。賃金設定のみならず、適切な役職の設定まである程度年齢に委ねてきてしまった経緯。
「労働の質」をきちんと測ることができれば、年齢による労働の質の理解もすすむと思われる。
今のところ年齢の扱いに困った企業は昇進とリストラを双方を使ってきた。今後はきっとこうはいかないであろうと思う。
年齢でも能力でもなく、問題は「労働の質」なんだけれども。不完全なままの廃止も危険だし、それ以上に企業が評価とか労働の質を無視するのは危険である。
結果重視?プロセス重視?いずれにせよ質の評価はできるはずだ。そのことを怠ってきたことを企業もそろそろ認めるべきだ。不透明な時代だからこそ明瞭なものが求められる。



