2007年11月19日
部下は育てるな!取り替えろ!!(書評・感想)
目次
1 なぜ部下を育ててはいけないのか?(教えるな!ただ見るのだ 刺激的なタイトルであるが、実際は相当真っ当な「上司べき論」。特に入社3年以上で業務自体を教える必要のなくなった部下を持つ管理職・先輩に向けられたメッセージ。 これまで部下を育てようと試みてきたけれど、大筋で著者の意見に賛成する。 企業にいて何年かすると一定の型というのを身につけてしまう。そのことを叱りとばしたところでその型は治ることはない。もしあなたがその最大限の熱意を持って部下の型を変えることがっできるか?・・・やはりまず変わらない。 よしんば「あなたに影響を受けましたっ!」と言ってくれた部下がいたとしても結局、 育つべきものが育っただけ かも知れない。 著者が言う「クールな対応」の通り、怒鳴ってもムダ。部下が肝に銘じるかどうかは・・・怒鳴ったかどうかではない。 問題は著者が言う部下の取替えが可能かどうかだけ。 日本の人事制度においては「この部下はここでは能力を発揮できない・・・だから取り替えてくれ」は管理職の恥とされている。人事も十分使えないことを承知していても「それは管理能力の問題だ」とフツーに言う。しかし、教えても怒鳴ってもダメなものはダメだ。 そのダメな部下を取り替えてもその部下が他の場所で活性化するかはわからない。しかし、同じ場所で同じ仕事を怒鳴られたという理由でよくなった事例を見たことがない。10年も20年も会社で同じスタイルを育んだ自分を変えるのはそう簡単なことではない。 ゆえに、私は常々社内FA制度みたいなものはいいなと思っている。上司が部下を取り替えることができるなら、部下も上司を変えてもいいはずである。自分が変われないなら場所を変えることだ。 しかし、日本ではまだまだそのような制度は少ない。 組織活性化、人材の育成とか掲げるわりには研修を充実させたり云々で・・・たいした施策が打てないのが現状。 活性化とはアクティブな状態である。アクティブとは自分の思いに近いところで仕事ができるということ。組織都合で人事をするでなく、「やりたいっ」と言った人をそこにあてるのが一番手っ取り早い活性化の手段。「あんたそこ行きたいって言ったでしょ?」 そういう部分をお偉方は自分の権力のもとにおいておきたいために、なかなか認めないのが現状だ。もし活性化しなくても希望を叶えてやった方がはるか納得して仕事をするように思うが。既得権との絡みがあってなかなか実現しない。 活性化を叫ぶ本人が活性化を阻害しているとは露知らず。 実際私は「取り替えてくれっ」と頼みに言ったことがある。言われたセリフは「十分承知しているがそこにおいてくれ」 ともあれ、取替え自由な駒としての使い方ではなく、お互いの不幸を解消するためにも 社内異動の自由くらい あった方がいいと思っている。 やや筆者はアメリカかぶれな例が多いが、部下を取り替えるだけでなく、組織活性化というものを真剣に考えるときの異動の自由は一つの選択肢にはなると思う。 企業にいるとだんだんと(仕事も)与えられるのが当然になり、考えることをやめていく。それでは通用しない時代に入ってきているとは思うが。 管理職でなくても後輩がいる年代に入ったら読むといいぞ的一冊。 イチローは誰が育てたか?オオギ監督?いやいや・・・イチロー自身だ。オオギ監督はただ見出しただけである。 部下は育てるな! 取り替えろ! ! Try Not to Develop Your Staff (光文社ペーパーバックス)
態度の悪い部下はすぐに取り替えろ!
もう職場に「協調性」なんかいらない
酒は妻と飲め!部下と飲むな!
あなたを勝てるチームのボスにする人事戦略「エグジット・インタビュー」で情報王になる)
2 できるリーダーほど教えない(部下がシビれる!革命上司の「褒める技術」部下が降参する!革命上司の「叱る技術」「質問1000本ノック」の雨あられ あなたの新兵器、「クリティカル・シンキング」部下が10倍従う、革命上司の指示の出し方お客さまが唸る、革命上司の謝り方)
3 上司力アップで組織力を最大化する!(「ヘタクソな会議」を今すぐヤメさせろ!効果抜群!「ランチミーティング」の勧め
「目標設定」に成功する人だけが成功する 休日出勤―部下は出しても自分は出るな 辞表をたたきつけてはいけない。そっと差し出せ)