2008年02月08日
本は10冊同時に読め!(書評・感想)
目次
- はじめに
- 第1章 仕事も生活も劇的に変わる!「速読」かつ「多読」の読書術
- 第2章 一生を楽しみつくす読書術 人生は読書でもっともっと面白くなる!
- 第3章 「人生を楽しむ力」と「読書量」 忙しいほど本を読んでいる!
- 第4章 まずは「同時に3冊」から!実践「超並列」読書術
- 第5章 「理屈抜きで楽しめる」読書案内 私はこんな本を読んできた!
- おわりに
本書は元マイクロソフト日本法人社長 成毛眞氏の成功本の類であるが、のっけからバンバン飛ばす。
たとえば「趣味が読書、最近読んだ本がハリポタ、セカチュー」という人は低俗な人種である。まず「金持ち父さん〜中略〜こうすれば儲かるという投資本〜中略〜間違いなく「庶民」のまま終わるだろう。P4>
→本は10冊同時に読め:俺[100]さんあたりは形無しである。いやもう俺[100]さんあたりは庶民を十分脱していると思うが。
「低俗」とか「庶民」とか惜しげもなく使うあたりがかっこいい。だが、大人になってから怒られていない人には頷けるが、怒られてばかりの人には耐え難い一冊かも知れない。なんといっても大半の人が怒られるために読む本である。
もっとも本を読まない人は「低俗」で「庶民」で終わることに何の疑問も持たないから「それはそれで幸福」とまで言い切り、著者にとって本を読まない人は付き合うに値しないらしい。
数ある成功本で「本を読むこと」は再々強調されているが、この言い草はすごい。
しかも3色ボールペンなど真っ向否定。線をひくとかそんな暇があるなら「本を読めだ、バカヤロウ」くらいの勢い。
その中で多ジャンルの本を並列で読むことを筆者は強調する。なぜなら人が思い浮かばないアイディアを創造するにはそういう方法がもっとも向いているという主張。なんとなくはわかる。
彼はもともとNHKのディレクターだった人で、本を読む時間が無くてNHKを辞めたという。→森山和道
徹底した人物が徹底した人物の書評を楽しみにしているという。思わず吹き出しそうなエピソードであるが、成毛氏は本気で本書を書いている。
私の読書量は足元にも及ばないが、本書くらいの大きさはトイレや風呂で読む。読書の主戦場は寝る前何分間だけ。
成毛氏のようにタクシーで通勤してまで読書を大切にしていないが、風呂では手をぬらすまでの10分間とかで結構はかどる。スキマ読書は、構えるよりはるかスラスラ読める。
一応4〜5冊は並列して読んでいるので、途中で頓挫することも多い。それでも私はいいと思っていて、その部分で著者との共通点を見い出せた。
本を読むことで、普段の会話にさえ、奥行きを感じさせることができる。これはどうやら間違いない。文章も同じで本一冊を書こうとすると何冊もの参考文献を必要とする。話の面白さも知識のバックヤードや体験の積み重ねがモノを言うと思う。「受動から能動へ」これは読書に限ったことではない。
目次で出てくるが、本書は速読ノウハウ本ではない。中途半端に本を読んで書評する私のような人間が怒られるための本である。小気味よく、かつあっという間に読めて爽快感すらある。ただ、面と向かって言われたらきっとムカツク言葉ばかり。
「庶民」を脱出するためにはこの本を読むべきだとは思うが道は長く険しいなんつっても筆者は月50冊。


本屋においてあれば、「はじめに」だけでも読んでおいた方がよい。
著者推薦の本を列挙しておく。下記を参考に(私を含む)みなさんが「庶民」から脱出できるよう、祈る。・・・ばかり。
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この記事へのコメント
世界観を楽しみながら読みたいからねえ。