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2008年03月04日

非属の才能(書評・感想)

非属の才能 (山田玲司著)の読む。「空気読めよ〜」の同調圧力の中、非属を貫くのは確かに才能。
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  • はじめに 「みんなと同じ」はもうやめよう
  • 第1章 誰のなかにも「プチ佳祐」がいる
  • 第2章 ブルース・リーになる試験はない
  • 第3賞 定置網にかかった人生でいいのか?
  • 第4章 「変わり者」が群れを動かす
  • 第5章 非属の扉をこじ開ける方法
  • 第6章 独創性は孤立が作る
  • 第7章 和をもって属さず
  • おわりに 「みんなと違う」をはじめよう

    今年はKY。KY式日本語―ローマ字略語がなぜ流行るのかが出るくらいだから同調圧力が年々高まり、あっという間に吹き去っていく。次から次へと変わっていく同調の強要。

    そんな中で、筆者をはじめとした 世の中から浮いてきた人たち=「非属の人」にフォーカスする。

    窓際のトットちゃんこと黒柳徹子はじめ多くの有名人たちが世間と同調することがなかった「非属の人」である。

    これらは「ひきこもり」など社会から離れている人々の応援となっており、世の中に違和感を感じたら 非属になってみるのもよい。

    類推でしかないが、協調ではなく同調圧力には女性は強い。ちょっと変わったドーナツを食うために並ぶのを我慢できるのは多くが女性である。流行も多くが女性によって作られ、KY式日本語にいたっては若い女性くらいしか言わないのではないか。男性は「非属」の圧力に弱いため、我慢ができず、「属」をアピールするため(主に企業)名刺を差し出さずにはいられない。並ぶのを我慢できないが知識程度は「フリスビーだろっ?」

    筆者が指摘する通り、世の中は「属」として動いているが、動かしているのは「非属」な人たちだ。まったく同じ生活、感覚を持ち、情報を集めれば集めるほど、個性は消え、より平均値に近いものになっていく。最大公約数に魅力があるとは限らない。そしてそこから抜け出すこともできない。

    かと言って 俗世間から離れ、山篭りをすればいいというものでもないが、少なくとも人の意見でものを決めていくのは違和感があるし、違和感はやがて精神の不調和にもつながる。

    アジアを旅すると、大勢の途方に暮れた日本の若者に出会う。〜中略〜気になるのが、その真面目さだ。必死になって海外で自分を探し出そうとしている。〜属をはずして物事を見たり考えたりする習慣をつければいい。P133

    ただし非属でなんにもしないのはダメだ。「子供の好きにさせたい」なんて親もいるが、その材料は多くを親が提供する。絵を描くこと、夢想すること、クレヨンを与えなくてはいけない。夢想するだけの材料がなくてはいけない。暗闇では植物すら伸びない。

    非属は簡単ではない。自分と向き合い考え抜いて、フリーで国民の義務である納税・勤労・教育を受けさせるなどの義務を履行するためには少なくとも確定申告もしなければならないし、何より食い扶持は稼がなくてはいけない。

    非属をずっと非属のままにさせてよいのか?蝶々を追いかける少年をそのまま放置しておくのか?その才能を見出してやるのは誰なのか?そんなチャンスが与えられるのか?

    ムリムリ学歴社会に押し込んで子供の幸福を保証できるものではない。かと言って夢中になれる・・・それを食い扶持にできる・・・ほどの才能も見出せない。一つのことに夢中になれること・・・それ自体が才能ではあるのだが。

    たしかに孤立はそれ自体独創的である。人間はネイティブに違うところを持っている。それを押し曲げて生きる必要はない。必要最小限の接点さえこなせば、口八丁のコミュニケーションなど必要ない。トレンド誌に目をやり、話題のイタリアンなどご馳走する必要などない。モテもギフトなのだ。むしろ、それらをおいかけるなど滑稽なこと。

    とはいえ、孤高の尾崎を真似てはいけない。

      盗んだバイクで走り

    出してはいけない。そもそも盗んではいけない。

      夜の校舎窓ガラス壊して

    まわってはいけない。必要最小限の接点のみ可として多様性を認める・・・・言うは安いがなかなか難しい。

    非属の才能をたびたびみかけ「あの人の(怒らせたり不愉快にする才能)をどうにか生かせないものか?」と思ってみるけれども。送り先のわからないギフトもあるものだ。「非属」を強くすすめるのもまた同調圧力であり、そこんところが難しい。本書は自分を振り返るに、またロストと呼ばれる世代にはココロ響くし、今に違和感を持っている人には得るものがあるだろう。

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