2008年08月02日
魅せる会話(書評・感想)
イントロダクション
美しい心とは何か?――「魅せる会話」のために
1 同意の仕方
2 反対意見の述べ方
3 異なる意見の述べ方
4 関心をもつ方法
5 返答の仕方
6 話の聞き方
7 質 問
8 パラレル・シンキング――六つの帽子
9 コンセプト
10 代替案
11 感 情
12 価 値
13 話題の転換と脱線
14 情報と知識
15 意 見
16 話の中断
17 態 度
18 会話の始め方と話題の選び方
結 び
訳者あとがき
[書評]魅せる会話(エドワード・デボノ)私は、これは一種、インタビュー術と言っていいかと思う。
書いてあることは難しくないのだが、原題「HOW TO HAVE A BEATIFUL MIND」の通り、会話術というより聞き上手で人が集まり、「心をきれいにどうするべ」という本なので、並大抵の人間では実践が困難だ。
そもそも、諸外国のように立ちんぼで話しているうちに、人が集まるという状況は想定しにくいし、さらにそんな状況になりたいかと自問した。まあモテたいけど。
例をとると
異なる意見の述べ方 まとめ
1.異なる意見のなかには、たったひとつだけ正解である場合がある。これは、「真実」を調べることができる場合である。
2.異なる意見すべてに、それなりの事実が含まれている場合が多い。
3.相違は、個人の好き嫌い、趣味や選択から生まれてくる場合が多い。
〜中略〜
12.相違を解決する努力をすること。それができない場合には、お互いの違いを認めること。P46
仕事をしているとあまりにも人が集まる人間になると当然厄介ごとも増える。美しい精神の持ち主になりたいとも思うが、互いの違いを追求しまくっているとそのうち体を壊す。
とはいえ、自分の会話を客観的に見ることのない私たちに重要な視点をもたらす。
パラレル・シンキングー6つの帽子
- 白い帽子・・・・情報収集に集中
- 赤い帽子・・・・直観や感情表現
- 黒い帽子・・・・欠陥や弱点、間違いの恐れや「ふさわしくない」を探す
- 黄色い帽子・・価値、利益、実行手段に重点
- 緑の帽子・・・・創造力を発揮する
- 青い帽子・・・・思考をまとめる
先進的な企業は知らないが、こういう議論の場を提供する企業は少ないかと思う。実際にこの帽子をかぶせ、その役割を演じ、かつそれをビデオにとって自分を観賞する。滑稽だと思うがそういう研修もいいかなと思う。
私たちは知らず、知らずのうちに上司として部下としての役割を演じるうち、一方向、例えば黒い帽子ばかりかぶってはいないか?「いや、それでもいいんだけど・・・」と腐していないだろうか?
そういう視点が固まりそうになったとき、本書はととても有効だ。スピーチではなく、会話のうまさは相手の言っている真意を受け取り、それをあらゆる角度からきちんと跳ね返すことだ。
一方でいくら的確でも相手が受け取りにくいボールは返してはいけない。
途中で本書の例示によって頭が痛くなってくる。これは正常な反応かと思う。それくらい難解ではないが、何回も読まなくてはいけない本だ。
たくさんの政治家が読むといいと思う。論戦と呼ぶには恥ずかしすぎる会話が多い。魅せる会話でもしてくれれば、もうちょっと投票率は上がると思う。
「究極の会議」
http://blogcq.livedoor.biz/archives/50435384.html
<聞く力>を鍛える
http://blogcq.livedoor.biz/archives/50496455.html