2008年09月10日
撤退のタイミング・方法
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)は、日本が敗戦に到るまでの6つの戦局について総括し、失敗の本質を探ろうとするもの。
歴史に「IF」はないというけれども、(誰かの引用をすると)過去にしか「IF」はない。可能かどうかは別にして未来は一応アプローチできる。「もし〜なら」はないのだから、過去から学ぶのは重要なことだ。
さて、撤退のタイミングである。不倫をやめるタイミング、ブランチを閉めるタイミング、部署を廃止するタイミングとその方法。タイミングとその方法でその人や組織の明暗を大きく分ける。
部署の費用対効果ですら費用チャージの仕方で大きく変わる。主管部署は当然「十分利益は出ていますよ」なんて都合のいい資料を作る。自分のサイフから捻出するわけではないから自己防衛に必死。自分の配下が増えるというのはうれしいことなのだ。
日本の戦史においても、思い込みや十分な情報伝達がなされなかったのが敗戦を早める結果となったようだ。
海軍と陸軍の対立など、縦割り行政の元祖や、負けを認めると失脚を認めることになるなど、プライドの問題で本質を見誤ることがたびたび失敗があった。
スクラップ&ビルドなんて言われているけれども、実際独立行政法人の一つも廃止できないのが日本だ。そういうので失業したという人も見ない。名前を変えて存続しているのが現状。
タイミングの方であるが、まず目的と期限を作ってそれが守られないときには「撤退」と考えていいと思う。もちろん戦局と同じように時々刻々と変わっていくので一概に言えないが、ダラダラと続けると(特に不倫なんてな)飛躍的に失脚の確率が高くなる。
短期決戦なら短期、長期持久戦なら最初からそのスタンスで臨むべきで、それが半端になってアイタとなるのである。
組織で言えば、「あの部署は社長が常務時代に作ったものだから・・・」と目的も達成しないまま、テコ入れもせず、かといって解体もしない。そこから組織は疲弊していく。
方法も暫時撤退みたいにじょじょにひくのも好ましくない。もちろん混乱を起こす場合もあるが、「スパっ」と撤退した方がよいようだ。
戦力の逐次投入・・・こういうやり方が戦史では大きな分岐点になっているケースが多い。
前記とは少しかぶるけれども「落としどころ」というのを最初にどれだけ設定できるかに撤退の方法論に大きく影響される。
散漫になるが、目的は「落としどころ」に非常に近くて、日本のびきった兵站線によって自滅したともいえるのである。組織で言えばいろんな専門部署を作って「人材がいない」とか嘆く感じ。落としどころの妥当な線というのは難しい。アレもコレも欲しいのが人間だ。
そういえば米国もイラクから撤退することができていない。「落とどころ」の設定がより曖昧になっている証拠であろう。
企業経営における戦略・戦術はもともと戦争における組織行動に由来するのはよく知られている。
しかし、戦史における「負け」を十分研究している経営者は少ない。
そういう意味で日経ビジネスの敗軍の将の語る言葉は貴重な意味を持つ。
せめて同じ轍は踏むまい。
歴史に「IF」はないというけれども、(誰かの引用をすると)過去にしか「IF」はない。可能かどうかは別にして未来は一応アプローチできる。「もし〜なら」はないのだから、過去から学ぶのは重要なことだ。
さて、撤退のタイミングである。不倫をやめるタイミング、ブランチを閉めるタイミング、部署を廃止するタイミングとその方法。タイミングとその方法でその人や組織の明暗を大きく分ける。
部署の費用対効果ですら費用チャージの仕方で大きく変わる。主管部署は当然「十分利益は出ていますよ」なんて都合のいい資料を作る。自分のサイフから捻出するわけではないから自己防衛に必死。自分の配下が増えるというのはうれしいことなのだ。
日本の戦史においても、思い込みや十分な情報伝達がなされなかったのが敗戦を早める結果となったようだ。
海軍と陸軍の対立など、縦割り行政の元祖や、負けを認めると失脚を認めることになるなど、プライドの問題で本質を見誤ることがたびたび失敗があった。
スクラップ&ビルドなんて言われているけれども、実際独立行政法人の一つも廃止できないのが日本だ。そういうので失業したという人も見ない。名前を変えて存続しているのが現状。
タイミングの方であるが、まず目的と期限を作ってそれが守られないときには「撤退」と考えていいと思う。もちろん戦局と同じように時々刻々と変わっていくので一概に言えないが、ダラダラと続けると(特に不倫なんてな)飛躍的に失脚の確率が高くなる。
短期決戦なら短期、長期持久戦なら最初からそのスタンスで臨むべきで、それが半端になってアイタとなるのである。
組織で言えば、「あの部署は社長が常務時代に作ったものだから・・・」と目的も達成しないまま、テコ入れもせず、かといって解体もしない。そこから組織は疲弊していく。
方法も暫時撤退みたいにじょじょにひくのも好ましくない。もちろん混乱を起こす場合もあるが、「スパっ」と撤退した方がよいようだ。
戦力の逐次投入・・・こういうやり方が戦史では大きな分岐点になっているケースが多い。
前記とは少しかぶるけれども「落としどころ」というのを最初にどれだけ設定できるかに撤退の方法論に大きく影響される。
散漫になるが、目的は「落としどころ」に非常に近くて、日本のびきった兵站線によって自滅したともいえるのである。組織で言えばいろんな専門部署を作って「人材がいない」とか嘆く感じ。落としどころの妥当な線というのは難しい。アレもコレも欲しいのが人間だ。
そういえば米国もイラクから撤退することができていない。「落とどころ」の設定がより曖昧になっている証拠であろう。
企業経営における戦略・戦術はもともと戦争における組織行動に由来するのはよく知られている。
しかし、戦史における「負け」を十分研究している経営者は少ない。
そういう意味で日経ビジネスの敗軍の将の語る言葉は貴重な意味を持つ。
それを壊すことはきわめて困難なことであった。P361創造より破壊、進軍より撤退の方がはるかに難しいことを痛感させられる。
せめて同じ轍は踏むまい。