2009年02月24日
独学という道もある(書評・感想)
ほん数ヶ月前に、頼まれて中三の男子に会うことになった。
願書ぎりぎりだというのに、進学・就職、いずれも明確にしない。
成績は芳しくなくて進学の自由度は低い。
こ一時間話して「学校は嫌いではないが、勉強が大嫌いだ」という。とはいえ就職する意気込みもない。
煮え切らない息子に親が業を煮やし、怒るばかりなのでなおのこと言い出せない。
「勉強をしたくないが、高校には行きたいということでいいんだな?」
母親に向かってきちんと「勉強はしたくないが高校へは行く!」と伝えることができた。
親にすれば、就職しても辞めるだろうし、家にいさせるのはもっと心配だ。それなら、勉強しなくっても高校へ行ってもらうのが最低限の妥協案だ。

独学という道もある (ちくまプリマー新書)を読む。
願書ぎりぎりだというのに、進学・就職、いずれも明確にしない。
成績は芳しくなくて進学の自由度は低い。
こ一時間話して「学校は嫌いではないが、勉強が大嫌いだ」という。とはいえ就職する意気込みもない。
煮え切らない息子に親が業を煮やし、怒るばかりなのでなおのこと言い出せない。
「勉強をしたくないが、高校には行きたいということでいいんだな?」
母親に向かってきちんと「勉強はしたくないが高校へは行く!」と伝えることができた。
親にすれば、就職しても辞めるだろうし、家にいさせるのはもっと心配だ。それなら、勉強しなくっても高校へ行ってもらうのが最低限の妥協案だ。

独学という道もある (ちくまプリマー新書)を読む。
- 第一章 道はたくさんあるー高校へは行かないという選択
- 第二章 こんな勉強をやってきたー大検合格法
- 第三章 いつでもやり直せるー通信大学からの通信大学から研究者の道へ
- おわりに
本新書は10代向け対象だろうけど,われわれ「大人」が考えるべきことを提供している。学校や研修という名の制度化された,あるいは半制度化された機会を 除けば,多くの人にとっては人生の大部分において独学せざるをえない。「どんな年齢になっても,将来の選択肢はたくさんあ」ってほしいものだ。上記の通り、この本は大人が読むべき本。前述の中三男子にこの本を読ませても現時点では理解しがたい。
285柳川範之著『独学という道もある』
本書の中で、独学がもっとも困難でかつもっとも自分にふさわしい方法が見つかると書かれている。
ただ、そこに至るまでのプロセスは学問に対する探究心があり、目標がおぼろげながら見えている人でないと難しい。
体系的に学ぶためには、やはり人に習うのが早道だ。
っでどうメッセージを受け取ったかというと、社会人になって自分の道が規定化されつつ、それでも流されたくない人向けではないかということだ。
会社に入ってしまえば、留学も大学院も行きにくい。
しかし、現在の状況は必ずしもそうではない。
地方に居ても社会人向け大学院は開かれているし、放送大学だってある。語学だってネットでかなりの独学が可能だろう。
表面だけ見るとそれがない時代の苦労談とも受け取れる。裏を返せば、こんな恵まれた時代になぜ独学しない?とも受け取れる。
そうすると、ペース配分だとか、自分のステップアップしてゆくための順序や順番を、自分自身でコントロールしなければならなくて、その部分が最初はちょっと難しかったというか悩ましかったです。P63この部分は制約の多い社会人にまさに当てはまるのではないか。制約の少なかった大学時代に一生懸命取り組まなかったことに対する悔恨のある人は多いのではないか。

著者:加藤 秀俊
販売元:筑摩書房
発売日:2009-11-10
おすすめ度:

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ただ、制約があってこそ、できる範囲が明確になることも多い。いつだってはじめられるのだ。
その悩ましい部分から逃げなければ忙しい社会人だって。
将来中三の子が何か勉強がしたくなって、そのときにこの本を手に取るといいなあと思う。もちろん私も。

著者:中島 薫
販売元:サンマーク出版
発売日:2003-01
おすすめ度:

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著者がはじめるのは決して遅くなかったけれども、それを体現したのが本書で勇気づけられ参考になる一冊だと思う。
個人的には(社内に)種を蒔くため、1年〜3年休職して学ぶ機会のある人事制度を作れるといいなと思う。
もちろん、社会人になっても諦めず、独学をし、熱意のある者のみを対象とするが。。組織が大きくなればそれくらい不確実性にはっていくのもよかろう。

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