2009年05月23日
計算力を強くする(書評・感想)
社会人になると「やつは頭がきれる」とか「回転が速い、機転がきく」なんてのは最大の賛辞となる。
だから、経済紙を読んでみたり、自己啓発本を何冊か読んでみたりするが、なかなかそういわれることはなく、中途半端な知識を披露すると「やつは浅い、中身がない」なんて言われる。
そんな諸兄(私を含む)に即効性のある本、計算力を強くする (鍵本聡)を読む。

だから、経済紙を読んでみたり、自己啓発本を何冊か読んでみたりするが、なかなかそういわれることはなく、中途半端な知識を披露すると「やつは浅い、中身がない」なんて言われる。
そんな諸兄(私を含む)に即効性のある本、計算力を強くする (鍵本聡)を読む。

- 第1章 かけ算は計算力の基本
- 第2章 足し算はかけ算の応用
- 第3章 概算は判断力と決断力
- 第4章 計算間違いをなくす
- 第5章 計算力を強くする
本書ではそろばんの達人でなくても、ちょっとしたコツで暗算が簡単にできる方法を紹介する。
(九九を使った計算視力の練習)もちろん筆算したらアウト。
以下の計算を瞬時にできるように練習してください。各問とも制限時間3秒。
(2)35×14 P21
計算方法はいとも簡単。分解するだけ。
35×2×7=490
一瞬にして簡単な計算に置き換えることをここでは計算視力とよんでいる。私が「九九を諳んじる」ことはできても「使える」わけではなかったことに気づく。
塾の講師をしているとき、小学3、4年生から算数に対する差が現れてきた。計算力の差からはじまっていたように思うし、自分の数学の成績も計算のつまずきが要因だったようにも思える。
例題5たしかに習った。習ったが日常使っていない。
39×41=?
この問題は、次のような計算視力を使えば数秒で解くことができます。
39×41=(40-1)×(40+1)
=402−12
=1600−1
すなわち、かけ算をする2数の平均(例題では40)から和と差に分解することで、展開の公式
(a+b)(aーb)=a2ーb2
に持ち込めるのです。 P37
これなんかは感動的だ。
次の計算をできるだけ速く暗算で計算してください。たぶん頭のいい人はこともなげにこういう計算を行っているに違いない。
(1)10,000−5,234=?
繰り下がりのないように
9,999−5,234+1=4,765+1=4,766
筆者は進学塾を経営しており、この手を生徒たちに訓練し、相当鍛えているはずだ。
小難しい公式を些細な日常に落とし込んでくれる人がいたらよかっただろうなと思う。
そもそも知識というのは「筋肉」みたいなものだと思っている。
ちょっと鍛えた筋肉を見せられても「なんだそれ?」と思うだけだし、マッチョで真冬にタンクトップを着られてもうっとしいだけだ。
知識も同じで生半可をふりまわされるのは不愉快だし、知識をさいさい披露されるのはもっと迷惑。
必要なときに必要なだけ出す分にはすごく役に立つ。チラリと見える方がより効果的だ。
電卓を使わなくてもさらっと答えを出す。これはまさに頭がいい。
と同時にワンアクション少ない分決断・判断は確実にはやくなる。脳トレよりもはるか早く効果があると思う。
はやいという要素は現在でも「優れている」ひとつの指標であろう。
頭を即効でよくしたい(と思われたい)やつはひとまず読んどけ。
ただし、必要なときまで出しちゃだめだぴょ〜ん。

追記:私が「この本いいよ。5回は読むよ」と言ったら「5回読んだら貸して下さい」という人がいた。ってか買え!身銭を切らないと。
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