2009年07月01日
決断力(書評・感想 羽生喜治著)
管理職になったと同時に小さな決断を迫られる。顧客や取引先は目の前にいるのだ。
「YES」でも「NO」でも素早く下して、それが的確なものであれば、管理職としては合格だ。
決断を保留するという決断でもいい。いつまでに決断を下す、上司の決断を仰ぐと判断できればいい。
ただ言うほどたやすいことではなく、将棋のようにその決断が大きな局面を招くこともある。
決断力 (角川oneテーマ21)を読む。
以下抜粋。
つまり経験には、「いい結果」、「悪い結果」がある。それを積むことによっていろいろな方法論というか、選択肢も増えてきた。
しかし、一方では、経験を積んで選択肢が増えている分だけ、怖いとか不安だとか、そういう気持ちも増してきている。考える材料が増えれば増えるほど〜中略〜大きく膨らんで自分の思考を縛ることになる。そういうマイナス面に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させていかないと、経験を活かし切るのは難しくなってします。P32
AとBの仲間の格付けや、信用の後押しが大きいはずだ。そのためにも、日頃から実力を磨き、周りから信用を勝ち取ることは、物事を推し進めるために大切なことだと考えている。P48
決断とリスクはワンセットである。日本の社会は、同質社会ということもあってこのバランスが悪いと思う。〜中略〜リスクを背負って決断を下す人が育たないと、社会も企業の現状の打破につながらないだろう。P71
つまり、おかれている状況がその人にとって乗り越えられるか、乗り越えられないかの瀬戸際に感じるのがプレッシャーなのだ。P102
将棋の場合でも特にそうだが、教える行為に対して教えられる側の依存度が高くなってしまうと問題である。P177
しかし、丸暗記しようとするのではなく、どうしてその人がその航路をたどったのか、どういう過程で辿りついたのか、その過程を理解することが大切だ。P183
プロらしさとは何か?と問われれば、私は、明らかにアマチュアと違う特別なものを持っており、その力を、瞬間的にではなく持続できることだと思っている。P194
瞬間的決断を持続的に下し、それらは知識と経験に裏付けられたものであること。いずれかが欠けてもその瞬間のベストな回答は難しいし、失敗は素直にレビューすることも必要だろう。
短気な社会となっている。長考させてもらえることは少ない。本書を管理職になる前に読み備えてもらいたい。

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