2010年01月27日
今年の昇格・昇進試験について 昇進試験を舐めた人間の末路
先日昇格昇進試験が実施され、もう何度目か。
これまでは業界で一般的に行われている試験の流用、語句の説明などだった。
しかし、今年はすべて一新、社内で作った試験で、そのほとんどが社内規程に関するものだった。
告知が十分でなかったため、前年度までの傾向で対策した人は相当骨折り損となった。
そこいらあたりを当社の方向性を含めてレビューしておく。
昇進者の心得―新任マネジャーの将来を左右する重要課題 (Harvard Business Review Anthology)
著者:リンダ・ヒル
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2009-04-10
おすすめ度:
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これまでは業界で一般的に行われている試験の流用、語句の説明などだった。
しかし、今年はすべて一新、社内で作った試験で、そのほとんどが社内規程に関するものだった。
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そこいらあたりを当社の方向性を含めてレビューしておく。
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社内規程からの出題ということで、より実務に近い試験とし、その能力を測るという目的があった。
しかし、「実務能力」という場合、暗に、実務能力≠筆記試験であることを認めてしまっている。つまり、前提がなんか違う。
また、大きな会社ではないけれども、スタッフとラインには実務に大きな違いがあり、知識として必要とする社内規程は大きく異なる。
初級管理職ではなく、中級管理職であるから、社内規程を網羅していることは好ましいけれども、キャリアパスは異なるから関わり度合いも大きく異なる。ゆえに、何の対策もしなければ、関わってきた分野はできる、そうでない分野はできない、という結果は見えている。
つまり、出題者がどの部署か?受験者がどの部署か?によってばらつきが出る。
おそらく、今回は総じて「できない」と感じた人が多くなっただろう。
さらに「できなくってもいいんだよ」みたいな声も漏れてきているから何のためにしたのかよくわからない。それでも受かる人は(筆記試験に)受かるし、受からない人は傾向を変えても受からない。
社内で昇格・昇進試験をするならば、
1.昇格・昇進試験は、人事考課などで確認できない能力を測る
2.昇格・昇進試験を通じて勉強してもらう
3.それらを通じて目指すべき方向性を示す
これくらいの設定が必要だろう。
1.の場合は、勉強・対策をしない素の姿を試すことになるし、一方で2.、3.ならば試験の範囲を十分に示す必要がある。
1.の場合、緘口令をひいたとしても社内で試験を作るから、出題者に近い部署のものは試験の傾向を知ることになる。そこを社内コネクションとして見るかどうかは別として、まあ漏れる。
管理者のための昇進・昇格試験突破法
著者:松田 憲二
日本能率協会マネジメントセンター(1996-06)
販売元:Amazon.co.jp
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2.3.なら開示できる部分を開示するわけだから、知った後の努力が必要になる。どうせ試験をするのであれば、情報開示を十分にする必要があった。
試験の作成過程
試験を作る主管部署は十分実務を知らないから、各部署に丸投げして作成したようだ。指揮者が各楽器の音を知らないみたいな。
おかげで、ホルンの音が大きすぎて偏りが多かったようだ。急ごしらえならので仕方がないと言えばそうだし、指揮者に能力がないといえばそのとおり。十分練っていないから、やってみないと試験結果はわからないし、時間もどれくらいかかるかわからないといった感じ。
社内で試験を作るならば、試験のテストくらいはするべきであった。現在の中級管理職がどれくらいの時間でどれくらいの点数がとれるのか?
ばらつきがありすぎると試験に対する信頼性を著しく損なわれる。
信頼性のない試験で人を選べるのか。
さて、一般的に通用するかどうかは別として昇格・昇進試験については
1.試験がどのような概要でき行われるか情報収集をする(そこでそれまでの人的コネとかが試されるかも)
2.その概要にもとづいた資料を十分に用意する
3.出題者が出題しやすい箇所、社内でホットな内容を抜き出す
ここいらあたりが今回の肝だったようだ。
ただ、出題者も試験づくりのプロではないから、レンジは広くとった方がいいだろう。
ポストが少なくなっている昨今、試験くらいはキラリと光る部分を見せたいものだ。
昇進・昇格試験実問集―一般常識問題からプレゼン型試験まで
販売元:日本経団連出版
発売日:2009-10
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絶対に合格する!作文&小論文の書き方
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就職・昇進のための小論文の書き方―書けない人のための一問一答と添削文例
著者:長田 光洋
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発売日:1998-10
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しかし、「実務能力」という場合、暗に、実務能力≠筆記試験であることを認めてしまっている。つまり、前提がなんか違う。
また、大きな会社ではないけれども、スタッフとラインには実務に大きな違いがあり、知識として必要とする社内規程は大きく異なる。
初級管理職ではなく、中級管理職であるから、社内規程を網羅していることは好ましいけれども、キャリアパスは異なるから関わり度合いも大きく異なる。ゆえに、何の対策もしなければ、関わってきた分野はできる、そうでない分野はできない、という結果は見えている。
つまり、出題者がどの部署か?受験者がどの部署か?によってばらつきが出る。
おそらく、今回は総じて「できない」と感じた人が多くなっただろう。
さらに「できなくってもいいんだよ」みたいな声も漏れてきているから何のためにしたのかよくわからない。それでも受かる人は(筆記試験に)受かるし、受からない人は傾向を変えても受からない。
社内で昇格・昇進試験をするならば、
1.昇格・昇進試験は、人事考課などで確認できない能力を測る
2.昇格・昇進試験を通じて勉強してもらう
3.それらを通じて目指すべき方向性を示す
これくらいの設定が必要だろう。
1.の場合は、勉強・対策をしない素の姿を試すことになるし、一方で2.、3.ならば試験の範囲を十分に示す必要がある。
1.の場合、緘口令をひいたとしても社内で試験を作るから、出題者に近い部署のものは試験の傾向を知ることになる。そこを社内コネクションとして見るかどうかは別として、まあ漏れる。
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2.3.なら開示できる部分を開示するわけだから、知った後の努力が必要になる。どうせ試験をするのであれば、情報開示を十分にする必要があった。
試験の作成過程
試験を作る主管部署は十分実務を知らないから、各部署に丸投げして作成したようだ。指揮者が各楽器の音を知らないみたいな。
おかげで、ホルンの音が大きすぎて偏りが多かったようだ。急ごしらえならので仕方がないと言えばそうだし、指揮者に能力がないといえばそのとおり。十分練っていないから、やってみないと試験結果はわからないし、時間もどれくらいかかるかわからないといった感じ。
社内で試験を作るならば、試験のテストくらいはするべきであった。現在の中級管理職がどれくらいの時間でどれくらいの点数がとれるのか?
ばらつきがありすぎると試験に対する信頼性を著しく損なわれる。
信頼性のない試験で人を選べるのか。
さて、一般的に通用するかどうかは別として昇格・昇進試験については
1.試験がどのような概要でき行われるか情報収集をする(そこでそれまでの人的コネとかが試されるかも)
2.その概要にもとづいた資料を十分に用意する
3.出題者が出題しやすい箇所、社内でホットな内容を抜き出す
ここいらあたりが今回の肝だったようだ。
ただ、出題者も試験づくりのプロではないから、レンジは広くとった方がいいだろう。
ポストが少なくなっている昨今、試験くらいはキラリと光る部分を見せたいものだ。
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