aamall

2010年11月05日

日本は破産しない(上念司 書評・感想)

日本の借金は増え続けており、いつか破産する。

そんな空気が漂っているし、現実にそうなるかも知れない。

でも破産の詳しい解説はなされることはなく、「日本人一人あたりの借金は○○万円」と煽るだけ煽るニュースばかり。

金融機関は国債を押しつけられている。ホントか?

日本は破産しない!〜騙されるな!「国債暴落で国家破産!」はトンデモ話だ!日本は破産しない!〜騙されるな!「国債暴落で国家破産!」はトンデモ話だ!
著者:上念 司
宝島社(2010-10-16)
販売元:Amazon.co.jp
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を読む。



破産とか破綻というのは一般的に「金を返せない状態」のことを言う。

国債はリファイナンス(借り換え)と償還がある。

たしかに金利が低めに張り付い(金利が上がる可能性があるので)てリスクが高く、金融機関は短期国債に切り替えているようだ。

ただ、日本政府は本当に償還ができないか?

国債を償還(返済)するためには円を刷ればいい。もし外国人が国債を買って償還を求めてもドルで返済する必要がない。すべて「円」で返せばいい。

となると日本円を刷り続ければず償還はできる。

じゃ円が溢れてハイパーインフレになるんじゃねえ?と思うかも知れないが、変動相場制の現在はそうはならないらしい。せいぜい円安がすすんで200円とか300円になる程度だとか。破産した国は固定相場制(通貨とドルを交換するとなるとドルがなくなって破綻)か、ユーロのように通貨発行権がないケースだという。

この本の趣旨はそんな感じだ。

一方金融機関はなぜ国債を買い続けるかというと、金利とリスクからもっとも合理的だからだ。たしかに国債を押し付けれている様子はない。

日本はデフレがすすんでいるので、たとえコンマ台の金利でも・・・実質デフレが2%なら金利はコンマ+2%となる。

だから外国人は円を買う。

合理性があるのだと。実質金利は高いというやつだ。

詳細は本書を見ていただく。

日銀が極度にインフレを抑えており、量的緩和の効果は(後で考えると)たしかにあったようだ。
ブログなどでもボチボチこの議論は出てきている。

日本の未来が明るいかどうかは別にして国債の償還についての報道は眉唾で見た方がよさそうだ。



blog49 at 00:01│Comments(6)clip!書評 ビジネス 

この記事へのコメント

1. Posted by 丁稚   2010年11月11日 11:52
3 ドル=200〜300円って…十分破綻だと思うが。

輸入品が今の3〜4倍になるって事だろ?輸入原材料も含まれる訳だから物価がそれだけ上がる。購買力が下がると困るから賃上げ圧力が高まるだろう。そのために日銀が金を刷れば加速度定理であっという間にハイパーインフレじゃないか?

まともな国で賃金の比較的高いスイスや北欧、豪州でも時給1,200円くらい。日本の賃金が3倍になると1,800円。現実的ではないね。

しかも公的サービスの維持費も3〜4倍になる訳だから増税も避けられないんじゃないか?
2. Posted by 丁稚   2010年11月11日 12:04
3 それに「少しインフレ」でも年金生活者は怒るぞ…怒るより死ぬかもしれん。まあ、死ぬ前にその母集団数で選挙権を行使するだろう。で、ハイパーインフレだ。カツマーや城繁幸が憤るのは結構だが、その矛先が多数派に向いたら潰されるよ。日本の年寄り+大企業の正社員は選挙に行くけど、若者は選挙に行かないからな。
3. Posted by 丁稚   2010年11月11日 12:08
3 若者は「選挙に行かない」んじゃなくて「行けない」のかもな。家庭では話題にならんし、学校では教えないから。
7. Posted by マリンゾウ   2010年11月11日 19:37
年金生活者もマイルドなら死なない。じょじょに弱る。

でもデフレっつうのはどうもいかんのよ。

イギリス
http://ecodb.net/country/GB/imf_inflation.html
日本
http://ecodb.net/country/JP/imf_inflation.html
9. Posted by 丁稚   2010年11月12日 15:42
3 「全部償還したら」か。了解した。
10. Posted by きたまんげつ   2012年05月12日 14:00
4 円安大歓迎。
日本の対外資産は円換算で爆発的に上昇膨張する。それを戻す人がいるので円は暴落しない。

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