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2024年06月23日

会社で「この人がいないと業務が回らなくなる」と思われている人は重宝されているようで飼い殺しがせいぜいである

上場はしていないものの、中規模な会社では「この人がいないと業務が回らなくなる」と思わせる人がいる。

経理部門、システム部門、バックオフィス一筋みたいな人で、業務を人に教えることなく何十年もその部門にいる人たちである。

会社としてはバックオフィスの些細なことであり、適性があれば管理職にするし、何人か部下もいるから代替は可能と軽視している。

現場では「この人がいないと業務が回らなくなる」と思われ、仕事もその人に任せておく。そういう風に頼られることもやぶさかではなく、任せられた業務は裁量権があるので、自由気ままに仕事をすすめていく。

「弁護士みたいですね」なんておだてられたじいさんは、「マイドキュメントに入れた俺の書式は辞めるとき全部消す」と、とんでもないこことを息巻いていたが、「それって大した書類ではないですよね、あなたの痕跡はなくなった方がいい」と思っていた。書式なんて似たようなものがいくらでも転がっているご時世である。

とまれ、業務に裁量権がある以上、その業務は自分色に染められ、共有スペースに置かず、どんどんブラックボックス化ていく。老後の雇用延長を確保するためなのか、ある種の知見と独自の価値観で作られた仕組みが運用される。

いくら70歳まで雇用が延長されようと、その人はいなくなるし、いくらがんばってもRPAやAI化の加速は避けられない。

業務のブラックボックスを開けることはその人にしかできない。
しかし、「秘伝の云々」はおもてに出さないことに価値があるのであって、表に出したら「しょぼ」となることはほぼ間違いない。

隠し剣 鬼の爪 特別版 [DVD]
田畑智子
松竹
2005-04-28


上記DVDでも、一子相伝である「隠し剣鬼の爪」も「マジっ」と言いたくなるほどあっさりしたものであった。

後任がやや戸惑うのは新しい部署へ行ったときの常であり、ブラックボックスが多いとその業務そのものを行わず、業務を回すことになる。

ブラックボックス化させた人はその職場で重宝されるが、待遇につながるかというとそうでもない。会社で自身の力を過信して人事部へ待遇交渉を行っている輩がいた。思うようにならなかったようである。

その道一筋何十年でその会社で最適化されている人に時価などなく、可視化されない知識は同一業界でもない限りその知見は生かされない。同一業界でもロートルで将来のないじいさんを好待遇で雇用することはありえない。

システム部門でもホワイトハッカーなみのスキルがあれば、相当な時価がつく。もっともそれほどのスキルがあるならば、その道一筋何十年にはならない。

配線だとか、設定だとか自社のシステムを理解していないとできないことはあるけれども、おまかせ無線LANみたいにどんどん簡単になっている。

残念なことに当社では「余人をもって代えがたし」とまで言える人は存在しない。ただ、その場で重宝されてるだけで、好待遇を勝ち取れるスキルは当社では醸成していない。

スキルに市場価値がないとすれば、転職ができないので、待遇交渉はできず、飼い殺しになる。

ブラックボックス化に励んで時価を上げようとしてる方には申し訳ないが、知見は必ず陳腐化する。経験は言語化・再現されて初めて価値が出る。

私は経験の言語化を試みている。

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blog49 at 00:01│Comments(0)clip!昇進 昇格 | 仕事

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